モロッコ、スペインとのハイレベル会合で14の協力文書に署名
(モロッコ、スペイン)
ラバト発
2025年12月25日
スペインのマドリードで12月3~4日、第13回モロッコ・スペインハイレベル会合(HLM)が開かれ、両国は政治・経済分野を横断する協力強化を確認した。会合は、モロッコのアジズ・アハヌッシュ首相、スペインのペドロ・サンチェス首相が共同議長を務め、両国関係を「より現代的で国際的、分野横断的なパートナーシップ」へ格上げすることを掲げた。
今回のHLMでは、行政デジタル化、教育、自然災害対策、持続可能性、ジェンダー平等など多部門での協力を確認する共同声明を採択。また、両国は国際行政協定1件、覚書(MoU)11件、意向表明書2件の計14件の協力文書に署名した。対象分野は税務、社会保障、行政文書管理、スポーツ・文化・教育、ヘイトスピーチ対策、農業・漁業など多岐にわたる。
モロッコのカリム・ジダン投資・公共政策統合・評価担当特命相は、スペインのオスカル・プエンテ運輸・持続可能モビリティ相と会談を行い、投資の強化、構造的プロジェクトの共同開発の促進、そして中小企業を地域バリューチェーンへより効果的に統合することを通じて、モロッコとスペイン企業間のシナジーを強化していくという共通のコミットメントを再確認した。
さらに、アフリカおよび欧州に向けた協力の戦略的可能性が強調され、とりわけ2030年にモロッコ・スペイン・ポルトガルで共催予定のFIFAワールドカップをはじめとする今後の大型プロジェクトが、経済インパクトの大きい事業を促進し、インフラの高度化を進め、両国双方にとって新たな雇用創出のダイナミクスを生み出す絶好の機会であることが指摘された。
スペインは、2024年も引き続きモロッコにとって最大の貿易相手国で、経済的なつながりは強固だ。また、スペインの発表によると、モロッコ人コミュニティはスペイン国内で最大の外国人コミュニティとなっている。
(鈴木優香)
(モロッコ、スペイン)
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