米ハワイ州、堅調な観光客支出や予想を下回るインフレ率を背景に経済見通しを引き上げ

(米国)

ロサンゼルス発

2025年12月15日

米国ハワイ州産業経済開発観光局(DBEDT)は12月5日、経済見通しを引き上げる旨の発表を行った外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。関税の影響や政策の不確実性、10月以降の連邦政府機関の閉鎖にもかかわらず、観光客による堅調な支出、健全な労働市場、予想を下回るインフレ率、予想を上回る米国経済の堅調さが見通しの改善に貢献したとして、2025年および2026年のハワイ州における実質GDP成長率の予測をそれぞれ1.6%、1.5%へと引き上げた。

同時に発表された2025年第2四半期の実質GDP成長率は、前年同期比2.5%となり、食品・飲料、衣料品などの非耐久財製造業や情報、金融・保険業のほか、運輸業や娯楽・レクリエーション業など観光関連産業も前年より好調だった。

物価については、ホノルル都市部消費者物価指数が2025年1月の4.1%から7月には2.3%、9月には2.2%と低下したことから、2025年のインフレ予測を下方修正した。一方、引き続き関税政策の影響によって、2026年初頭までインフレ圧力が残ると分析。また、雇用面については、8月の同州の失業率は2.6%で、前年同月より0.6ポイント低下しており、この水準は全米で3番目に低くなっている。加えて、2025年1~8月の雇用者数は前年同期比で2.1%増加しており、連邦政府部門の雇用者数減少を民間部門や州・地方政府における雇用者数増加で相殺していると評価した。

2025年第3四半期の航空旅行者総数は前年同期比で3.2%減少し、特に西部からの旅行者数が4.4%減少しているものの、日本からの旅行者数は2.3%増加した。訪問者数は減少したが、逆に10月の旅行者による総支出額は前年同月比で6.7%増加したため、支出額の高い観光客層を引きつけていると分析した。

(堀永卓弘)

(米国)

ビジネス短信 f1e4844ea10f77e0