中国、EU原産品に対する複数のアンチダンピング措置を発表
(中国、EU)
北京発
2025年12月24日
中国商務部は12月16日と22日、それぞれEU原産の輸入品に対するアンチダンピング(AD)措置を実施すると発表した。商務部による同日の発表内容は次のとおり。
(1)EU産の豚肉および副産物に対するAD措置
商務部は12月16日に商務部公告2025年第80号
で、EU原産の豚肉および副産物(注1)の輸入に対し、ダンピング調査の最終裁定を発表した(注2)。これにより、12月17日からEU原産の豚肉および副産物の輸入に当たっては、対象企業ごとのダンピングマージンに応じて4.9~19.8%のAD税が徴収される。同措置の対象期間は5年としている。
(2)EU産の乳製品に対するAD調査
商務部は12月22日に商務部公告2025年第83号
で、EU原産の乳製品(注3)に対し、ダンピングの存在を認定する暫定的な決定をしたうえで、AD措置を暫定的に適用すると発表した(注4)。これにより、12月23日からEU原産の乳製品の輸入に当たっては、対象企業ごとのダンピングマージンに応じて21.9~42.7%のAD税が徴収される。
また、商務部は12月16日および22日の報道官談話で、各貿易救済措置について次のとおり説明した。
EU原産の豚肉および副産物に対するAD措置については、「中国畜産業協会の申請により、2024年6月17日に当該産品に対するAD調査を開始した」と述べた。「その後、法に基づいて同調査を実施した結果、ダンピングに関する最終裁定を下した」と説明した。
EU原産の乳製品に対するAD措置については、「中国乳業協会および中国乳製品工業協会の申請により当該産品に対する調査を開始した」と述べた。「その後、法に基づいて同調査を実施した結果、ダンピングの存在を認定する暫定的な決定を下し、暫定的なAD措置の適用を決定した」と説明した。
(注1)HSコード02031110、02031190、02031200、02031900、02032110、02032190、02032200、02032900、02063000、02064100、02064900、02091000、05040011、05040014、05040029、05040090の16品目が対象となっている。なお、このうち05040029と05040090について、豚を使用していないものについては本調査の対象外となった。
(注2)商務部は2024年6月17日、商務部公告2024年第23号
で、EU原産の豚肉および副産物に対しAD調査を開始した(2024年6月20日記事参照)。その後、2025年9月5日、商務部公告2025年第46号
でダンピングの存在を認定する暫定的な決定をしたうえで、AD措置を暫定的に適用すると発表した。
(注3)食用に用いられるもので、HSコード04015000、04061000、04062000、04063000、04064000、04069000の6品目が対象となっている。
(注4)商務部は2024年月21日、商務部公告2024年第34号
でEU原産の乳製品に対しAD調査開始を決定した(2024年8月29日記事参照)。
(西島和希)
(中国、EU)
ビジネス短信 ed086cd23c21a7b1




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