モロッコ、ゲーム産業育成へ「Gamification Lab」プログラム開始

(モロッコ)

ラバト発

2025年12月02日

モロッコ青年・文化・通信省は11月13日、国営投資機関の預金管理公庫(Caisse de Dépôt et de Gestion、CDG)およびその傘下のCDGインベストと、ゲーム産業の人材育成を目的とした「Gamification Lab」プログラムの立ち上げに関する戦略的パートナーシップ協定を締結した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

同プログラムは、教育、健康、文化、雇用、観光などの分野で活用可能なゲーミフィケーション(注)技術を開発するスタートアップを支援し、国内ゲーム産業のエコシステム強化を目指す。「Gamification Lab」は、質の高い持続可能な雇用の創出、ビデオゲーム産業に特化したモロッコのスタートアップエコシステムの強化、さらにゲーミフィケーション技術の普及を通じて、包括的で創造的なデジタル経済の発展に寄与することを目的としている。

モハメド・メフディ・ベンサイド青年・文化・通信相は、「この協定は、文化産業、特にビデオゲーム産業で活動する小規模企業への支援の一環」と強調した。「この分野では顕著な進展が見られ、小規模企業が中堅・大企業へ成長する機会を提供できる」と述べたうえで、モロッコ国内のゲーム関連スタートアップ数が2021年の2~3社から現在40社に増加していることを指摘した。同プログラムでは、公共・民間のニーズを特定し、受益者との個別協定を締結した上で、スタートアップ選定のための公募が行われる予定。

また、モロッコ青年・文化・通信省は11月14日、ゲーム開発分野の人材育成を目的とした「Video Game Creator」プログラム第2弾(2026年版)の応募受け付け開始を発表した。在モロッコ・フランス大使館との協力で実施される同プログラムは、全国から選抜された40人を対象に、9カ月間の認定研修(うち3カ月は企業研修)を提供する。同プログラムは、2024年10月にモロッコとフランスの間で署名された「ゲーム産業エコシステム支援に関する意向表明書」に基づく取り組みで、国内ゲーム産業の競争力強化と高度人材育成を目指す。

(注)ゲームの仕組みや要素を用いて、利用者のモチベーションを高めること。

(鈴木優香)

(モロッコ)

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