ジェトロ、日本産農水産物の商談ミッション型企画展をバンクーバーで実施

(カナダ)

農林水産食品部事業推進課

2025年12月16日

ジェトロは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーにおいて11月17~18日の2日間、日本産農林水産物を北米市場に紹介する商談ミッション型の展示会「バンクーバー企画展」を開催した。

同企画展は、ジェトロの北米日本産食品グローバル・ゲートウェイ事業の一環として実施され、カナダ市場への進出・拡大を目指す日本産農水産物を取り扱う事業者の支援を目的としている。

日本から参加した5社は、業務用・小売り用商材を日系・アジア系のインポーター・ディストリビューター6社に対し試飲試食を交えながら紹介し、商談を行った。また、ジェトロのコーディネーターが、渡航しなかった事業者69社分の商品について商品サンプルやカタログを活用し代理で紹介し、引き合いのあった商品に関しては後日、オンライン商談につなげた。

商談に加えて、現地の大手スーパーマーケット、日本食小売店、アジア系小売店を訪問し、現地市場の特性を理解する機会を提供。加えて、ネットワーキングイベントを2回開催し、現地の日本食小売店やレストランオーナーから市場特性に関する情報収集を行うとともに、商談のきっかけとなるよう自社商品の紹介も行った。また、現地生活者の視点からのフィードバックを得ることもできた。

事業者からは、「かなり熱感を持った商談ができた」「カナダ市場は米国と比較すると小さく見られがちだが、絶対的な規模としては大変魅力がある」などの声が寄せられた。

バイヤーからは、「カナダでは物価高騰により消費者の購買力が低下しており、輸入食品も価格競争力が求められている」などのフィードバックがあり、価格設定や差別化、パッケージ戦略の検討が重要であることが示唆された。

また、バイヤーからは、各商品に対し、小麦粉を使用した製品は規制に準じた強化小麦粉(Enriched Flour)を使っているかの確認や、2026年1月1日までに対応が必要な、飽和脂肪・糖類・ナトリウムが一定基準以上含まれる包装食品における容器包装前面(FOP: front-of-package)への栄養表示の対応の必要性が説かれるなど、カナダの食品輸入規制への対応が厳しく求められた。

農林水産省が発表した「2024年農林水産物・食品の輸出実績(国・地域別)」(2025年11月)によると、日本からカナダへの農林水産物・食品の輸出額は2024年に226億円と、世界13位に位置している。世界1位の輸出相手国である米国の2,429億円に比較すると市場規模は小さいが、新型コロナ禍前と比較すると2倍近くに伸びた。2023年から2024年の伸び率は17.1%増と大きく拡大した。

今回企画展を実施したバンクーバー都市圏は、年に人口4万2,500人規模で増加しており、今後、日本産食品市場の成長が期待される都市だ。

北米日本産食品グローバル・ゲートウェイ事業は、カナダに加え、米国・メキシコを含む北米地域を対象として展開している。今後も同地域において、日本産農林水産物に関心を有するバイヤーへの働きかけを継続する。

写真 現地バイヤーとの商談の様子(ジェトロ撮影)

現地バイヤーとの商談の様子(ジェトロ撮影)

(二神夏生)

(カナダ)

ビジネス短信 e0f18e6e9e2415a8