2028年米大統領選では穏健派の候補者が望まれる、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年12月22日

米国マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学は12月18日、2028年大統領選挙などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2028年の大統領選挙で民主党、共和党の候補者の属性別で対戦を想定した場合、いずれを支持するか聞いた。結果は次のとおりで、いずれも穏健派の候補者がより支持される傾向がみられた。

  • 穏健派民主党候補(47%)対MAGA(注2)派共和党候補(38%)
  • 急進派民主党候補(36%)対穏健派共和党候補(48%)
  • 穏健派民主党候補(39%)対穏健派共和党候補(44%)
  • 急進派民主党候補(43%)対MAGA派共和党候補(42%)

同大学世論調査のエグゼクティブディレクターのスペンサー・キンボール氏は、「民主党と共和党の双方において、穏健派の候補者は、急進派やMAGAのレッテルでは得られない、無党派層への訴求力を持っていることは明らかだ」と述べた。

また、ドナルド・トランプ大統領の重要課題への対応の評価(A~Fの5段階)を聞いたところ、「移民問題」はA評価が37%と最も高く評価されたが、F評価でも36%だった。一方、「手頃な価格(アフォーダビリティ)」「ヘルスケア」「経済」では、F評価(38%、38%、36%)の割合が最も高かった(A評価は、それぞれ17%、14%、22%)。

7割が生活費が高いと回答

ニューヨーク州のマリスト大学が12月に実施した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)によれば、自分の住む地域の生活費に関する設問では、70%の回答者が「あまり、あるいは全く手頃ではない」と回答した。これは、2011年から同じ質問を始めて以来、最も高い数値となった。

過去1年で個人の財務状況が「悪化した」と35%が回答した。「変わらない」は44%、「改善した」は21%だった。今後1年の個人の財務状況の見通しは、「改善する」が33%だったが、6月の調査時(48%)より大幅に減少した。

医療費負担適正化法(オバマケア)補助金が2025年12月31日に期限切れとなる(注4)ため、2026年に医療費が支払えなくなる可能性について、「非常に懸念あるいは懸念」とする割合は54%と過半だった。

(注1)実施時期は2025年12月14~15日。対象者は全米の登録有権者1,000人。

(注2)「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」の略称で、もともとトランプ氏の選挙キャンペーンのスローガンだが、トランプ氏の支持者を表現する際にも用いられる。

(注3)実施時期は2025年12月8~11日。対象者は全米の成人1,440人。

(注4)医療政策研究団体KFFによれば、補助金が失効した場合、加入者の月々の保険料は2026年に平均114%増加することになる。

(松岡智恵子)

(米国)

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