外資企業の投資奨励リスト2025年版公布、2026年2月1日から施行
(中国)
北京発
2025年12月26日
中国国家発展改革委員会(発改委)と商務部は12月24日、「外商投資奨励産業目録2025年版
」を公布した(2026年2月1日施行)。目録は、全国を対象とする全国版のリストと、中西部地域(注1)の各省・直轄市・自治区の優位性産業リストから構成されている。目録の奨励類に該当する項目については、外商投資企業(以下、外資企業)が投資総額内で輸入する自社用設備の輸入関税免除や、土地の優先供給などの優遇措置を受けることができる(注2)。
商務部の説明によると、今回の目録(全1,679項目)は現行の2022年版
と比較して、全体で205項目を新規追加、303項目を改定したという。そのうち、全国版リスト(全619項目)は新規追加が100、改定が131、中西部地域リスト(全1,060項目)は新規追加が105、改定が172となっている。商務部によると、今回の主な改定内容は次のとおり(注3)。
〇全国版リスト
- 先進製造業分野に対する外資誘致を奨励する。引き続き製造業を外資誘致の重点分野とし、核酸系医薬品の研究開発・生産、非磁性医療機器の研究開発・製造、スマート検査装置・計測機器の製造、ハイスピードカメラの研究開発・生産、ガス発電の基幹設備の製造、ロボットの基幹部品の開発・製造などを奨励対象に追加した。
- 現代型サービス業に対する積極的な外資誘致を奨励する。事業者向けサービス業の発展促進を改定の重点とし、新素材の共通技術プラットフォームおよびサービスプラットフォームの運営、高度な海運サービス、バーチャルパワープラント(VPP)の運営および関連技術の研究開発などを新規追加。また、サービス消費の拡大支援を目的として、ペット病院・ペット美容サービス、スポーツツーリズム、旅行会社の経営などを奨励対象に追加した。
〇中西部地域リスト
- 各地域の資源および産業の強みを生かすため、地域ごとに奨励分野を追加している。氷雪関連設備の研究開発・製造(黒竜江省)、海洋環境の整備(海南省)、風力発電所の運営(青海省)などを奨励対象に追加した。
商務部の担当者は、外資企業からの意見を聞くためのラウンドテーブルの実施などを通じた広報・説明の強化、各地のビジネス部門に対する指導を通じた関連措置の整備、外資企業が直面する課題の解決といったサービス支援・保障の強化により、2025年版投資奨励リストを着実に実施するとした。
(注1)目録の中西部地域とは、山西省、内モンゴル自治区、遼寧省、吉林省、黒竜江省、安徽省、江西省、河南省、湖北省、湖南省、広西チワン族自治区、海南省、重慶市、四川省、貴州省、雲南省、チベット自治区、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区を指す。地理的には中西部地域以外も含まれている。
(注2)このほか、西部地域や海南省に所在し、条件を満たす奨励類の外商投資企業については、企業所得税の税率が25%から15%に引き下げられる。また、海外投資家が、中国国内企業から分配された利益を中国国内において再投資する際、投資先が目録の全国版リストに含まれる産業に属しており、かつ関連条件を満たしている場合、税制控除の優遇措置を受けることができる。
(注3)今回の目録については、2024年12月20日付で意見募集稿が公表され、2025年1月20日までパブリックコメントを受け付けていた(2024年12月26日記事参照)。
(西島和希)
(中国)
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