玄米から生まれたデカフェコーヒーが香港で初の試飲会

(香港)

香港発

2025年12月04日

香港の下町エリア、深水埗外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Sham Shui Po)の独立系カフェが立ち並ぶエリアで11月28日、香港初の「玄米デカフェ」の試飲会が開かれた。「玄米デカフェ」とは、エムエヌエイチ(MNH)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開発した、玄米を原料とするカフェインレスの代替コーヒーだ。香港の輸入業者マッチショウルーム(Match Showroom)が香港での販売開始をPRするため、今回の試飲会を企画・開催した。

ジェトロが運営する海外バイヤー向けのBtoBオンラインカタログサイト「Japan Street」が、今回の取引へと導いた。エムエヌエイチは2023年、Japan Street上に本商品シリーズを登録し、2025年6月マッチショウルームからのアプローチを受けた。即座にオンライン商談を開始し、8月に東京で初の対面商談を実施した。9月には独占契約を締結し、11月末に今回のPRイベントに至った。

今回の試飲会は、3日間のPRイベントの初日に開催され、EC(電子商取引)サイト運営者や飲食店経営者、KOL(キーオピニオンリーダー)、メディア関係者など、計30人程度が参加した。来場者からは、「コメだけでできているのは健康的だ」「コメなのにコーヒーにそっくりの味だ」「寝られなくなる心配をしないでよいことがうれしい」といった声が寄せられた。マッチショウルームの担当者であるマギー氏は「香港初上陸商品なので、飲食関係のエキスパートによる試飲と意見収集、そしてKOLなどを通じたメディア露出によるブランド構築が重要だ」と語った。翌日は、富裕層を会員として抱える香港ジョッキークラブ(HKJC)で試飲会を行うなど、高級路線で打ち出していく方針だという。

エムエヌエイチが輸出に成功した最大の要因として、製品の魅力の伝え方と、シンプルな成分設計が今の香港市場にマッチしたことが挙げられる。まず、玄米で作った飲み物はイメージ形成が難しいため、世界的に認知度の高い「コーヒー」と結びつけた。これは、日本酒が海外で「Rice Wine」と呼ばれるのと同じ発想だ。加えて、日本各地のコメの産地や品種による味の違いを楽しむ「飲み比べ」を提案し、話題性を生み出した。また、成分に関しては、コメだけで作ることで添加物への懸念を排除するとともに、輸出のハードルも下げている。さらに、カフェインレスであることは、健康志向やカフェインの副作用を気にする層にも訴求している。

マッチショウルームは、引き続きJapan Streetでユニークな商品を探したいと意欲的な姿勢を見せる。

写真 PRイベントの様子(ジェトロ撮影)

PRイベントの様子(ジェトロ撮影)

写真 「玄米デカフェ」についての説明と商品(ジェトロ撮影)

「玄米デカフェ」についての説明と商品(ジェトロ撮影)

(周天任)

(香港)

ビジネス短信 d2a02bafb769c861