中国・ベトナム間で双方向貨物輸送の試験運用開始

(中国、ベトナム)

広州発

2025年12月19日

ベトナム・ランソン省のランソン・ドンダン国境経済区管理委員会の発表によると、ランソン省と中国広西チワン族自治区との中越国境で、双方向の貨物輸送の試験運用が12月10日から開始した。

越境する輸送トラックは、従来は輸送貨物の相手国での引き渡し完了後、空荷で帰路についていたが、同試験運用により相手国内で輸入貨物を積み込み帰路につくことが可能になる。国境を越える輸送トラックの調整メカニズムの最適化、通関申告手続きの簡素化、企業の物流運営コストの削減を図ることを目的としている。試験運用期間は2026年12月9日までの1年間。

同試験運用は、輸送効率の向上とコスト削減を目的とし、対象となる国境ゲート(口岸)はベトナム側・ヒューギと中国側・友誼関(国境標識番号1119-1120)、ベトナム側・タンタンと中国側・浦賽(ポーチャイ)(1088/2-1089)、ベトナム側・コックナムと中国側弄堯(ルンギウ)(1104-1105)。双方向輸送を行うトラックは、相手国で引き渡し手続き完了後、指定された場所に36時間まで停留可能となる。片道輸送のトラックは通関後、24時間以内に相手国の口岸を離れる必要がある。トラック1台につき1社の貨物の輸送に限定され、農産物は1台につき1品目に限られる。電子部品などは、標準コンテナまたは両国の技術要件を満たす輸送手段で運搬しなくてはならない。混載貨物の輸送は、同試験運用の対象外とされている。

この取り組みに先立って、11月27日に行われたベトナム・ランソン省委員会副書記兼省人民委員会主席のグエン・カイン・クアン氏と中国・広西チワン族自治区党委員会副書記兼自治区人民政府主席の韋韜氏は、経済貿易協力やインフラの相互接続、スマート口岸などについて会談した。うち、インフラの相互接続については、双方は重点的な国境地域の貨物輸送専用通路の拡張・改修を協力して進めるなどとした。

(西村京子)

(中国、ベトナム)

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