ルーマニアの代替燃料インフラ導入プロジェクト4件にEU助成金
(ルーマニア、EU)
ブカレスト発
2025年12月16日
欧州委員会は11月17日、汎(はん)欧州輸送ネットワーク(TEN-T)の電化と脱炭素化を加速するため、70件の代替燃料インフラ整備プロジェクトが6億ユーロ超のEU助成金を受けることを発表した。助成契約は欧州気候・インフラ・環境執行機関(CINEA)が担当し、道路、海運、内陸水路、航空輸送において、充電ステーションや水素燃料補給ステーションなど代替燃料供給インフラの整備を24加盟国で推進する。今回の支援では、充電ステーションを軽量車両用に1,000基以上、大型車両用に2,000基以上設置し、38カ所の水素燃料補給ステーション、さらに24の港湾における陸上電源供給(OPS)や船舶用アンモニア燃料供給設備などの導入が予定されている。
このうち、ルーマニア企業による4件には総額約2,933万ユーロの助成が見込まれる。最大案件は、コンスタンツァ南港のコンテナターミナルを運営する、世界最大級の海上ターミナル経営会社DPワールドの子会社コンスタンツァ・サウス・コンテナ・ターミナル(CSCT)によるOPSインフラ構築で、1,982万ユーロの支援を受ける予定。同プロジェクトでは、コンテナブロック29基分の電力インフラを設置するほか、電動ターミナルトラック用充電インフラハブ、OPSシステムなどを配備する。
その他の案件としては、ルーマニア国内に76基の直流(DC)充電ステーションを設置するため、スマート・ビジネス・アンド・テクノロジーズ・ソリューションズ(Smart Business & Technologies Solutions)に408万ユーロの支援。ルーマニアおよびギリシャにおいて150キロワット(kW)以上の軽量車両用充電ステーション98基、350kW以上の大型車両用8基を整備するため、ギリシャ電力公社(PPC)の子会社であるPPCブルー・ルーマニア(PPC Blue Romania)に342万ユーロの支援が予定されている。さらに、ロムペトロル・フィナンシャル・グループ(Rompetrol Financial Group)は、TEN-T上の主要地点に150kWの軽量車両用充電ステーション37基、350kWの大型車両用15基を設置するため、201万ユーロの支援を受ける見込みだ。
(ミルナ・ブラガ、太田響子)
(ルーマニア、EU)
ビジネス短信 cd9c4ecd87d89cc4




閉じる
