アフリカ進出日系企業、世界・地域情勢が企業活動に影響あるとの回答は約8割も、米国関税は影響少ない
(アフリカ、エジプト、コートジボワール、南アフリカ共和国、日本)
調査部中東アフリカ課
2025年12月18日
ジェトロは12月18日、「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アフリカ編)」を発表した。アフリカ19カ国に進出する日系企業274社に対し、現地での企業活動に関するアンケート調査を2025年9月1~22日に実施し、取りまとめたもの。18カ国216社が有効回答(有効回答率78.8%)。
政治・外交的な動きが企業活動に影響を与えているとの回答は約8割
世界およびアフリカの政治・外交的な動きが企業活動に与える影響について、「大いに影響がある」「やや影響がある」と回答した企業の合計はアフリカ全体の80.5%で、前回調査から6.8ポイント減少した。
企業活動に影響を与えている政治・外交的な動きとして、アフリカ全体では「ロシアによるウクライナ侵攻」が44.7%と最多で、「紅海でのフーシ派による船舶攻撃」が41.3%で2番目に多かった。「米国トランプ新政権」と「クーデター、内戦、紛争」が続いた。エジプトでは「紅海でのフーシ派による船舶攻撃」が77.3%と特に多く、コートジボワールでは「クーデター、内戦、紛争」が77.8%で最多だった。
今回の調査では、米国の追加関税措置(注)に関する設問が設定された。調査時点での米国とのビジネス状況について、アフリカ全体では81.5%が「米国との取引はない(間接取引を含む)」と回答した。
追加関税措置などが2025年の営業利益見込みに与える影響について、アフリカ全体で「影響はない」が49.8%と最多で、「現時点では分からない」が41.5%と、いずれも世界全体を上回った。「マイナスの影響が大きい」と回答した企業の割合は、アフリカ全体では6.0%にとどまったが、南アフリカ共和国では14.8%だった。マイナスの影響を与える理由は「調達・輸入コストの増大」が最多(57.1%)で、「現地市場(進出先国・地域)での需要減少」や「世界的な景気後退に伴う売上高・利益率の減少」が28.6%で続いた。追加関税措置などへの具体的な対応策は、アフリカ全体では「特になし」が49.3%と最多で、マイナスの影響を受けた企業の過半数が対応策として「自社におけるコスト削減」と回答した。
(注)2025年8月15日までに導入された米国の第2期トランプ政権による関税引き上げ措置、所在国・地域および第三国・地域の報復関税措置などを指す。
(坂根咲花)
(アフリカ、エジプト、コートジボワール、南アフリカ共和国、日本)
ビジネス短信 c5758437666afb56




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