ルーマニアでウクライナ復興会議開催、ルーマニア、ウクライナ、モルドバ3カ国間の協力を強調

(ルーマニア、ウクライナ、モルドバ)

ブカレスト発

2025年12月19日

ルーマニア・ブカレスト市内の国立軍事会館で12月11~12日、ウクライナ復興会議「ウクライナ復興〜安全保障、機会、投資(Rebuilding Ukraine: Security, Opportunities, Investment)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催された。同会合はルーマニアのシンクタンク、新戦略センターの主催、ルーマニア外務省およびウクライナ外務省の後援で実施され、ルーマニア、ウクライナおよびモルドバの政府関係者をはじめ、130人超の関係者が参加した。日本からはジェトロのほか、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、静岡大学や日本経済新聞の関係者らが登壇し、パネルディスカッションを行った。

11日の基調講演において、ルーマニアのミルチャ・アブルデアン上院議長は、ウクライナ復興が政治・経済・安全保障の観点から欧州にとって喫緊の課題と指摘した。また、欧州投資銀行(EIB)および欧州復興開発銀行(EBRD)が、交通、エネルギー、社会基盤、民間経済支援などの分野において、復興に向けた資金提供や支援を進めていることに言及。その中でも、エネルギーの対外依存の抑制を目的としたエネルギー分野への投資が最優先事項であると強調した。

写真 カンファレンスの様子(ジェトロ撮影)

カンファレンスの様子(ジェトロ撮影)

続いて、同国のオアナ・ツォイウ外務相は、各国による平和への取り組みを踏まえて、直近ではルーマニア、モルドバ、そしてウクライナ3カ国の外務省間の連携を強化してきたと述べた。特に高速道路などのインフラ開発における進展を紹介。また、ウクライナとモルドバのEU加盟に向けて、協力を続ける姿勢を強調した。さらに、トルコやブルガリアなど黒海周辺国との連携にも言及し、黒海の安全保障確保が、商流・物流の観点からも重要であるとして、コンスタンツァ港の役割拡大に触れた。

また、ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、モルドバ経由のブカレスト~キーウ間の直行列車の開通に言及した。加えて、ドナウ川流域における経済活動や物流においてルーマニアとの協力が不可欠であると述べた。

(太田響子)

(ルーマニア、ウクライナ、モルドバ)

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