カタール最大級のポップカルチャーイベント「Geekdom Qatar 2025」開催
(カタール、日本、中東)
ドバイ発
2025年12月04日
カタールのGeekdomビルで11月18日から22日にかけて、「Geekdom Qatar 2025」が開催された。同イベントは、カタール最大級のポップカルチャーイベントで、アニメ・ゲーム・映画・音楽・コスプレなど、あらゆる「オタク文化」を楽しむことができる祭典だ。
Geekdom外観(左)、仮装した来場客(右)(ともにジェトロ撮影)
Geekdomは毎年規模が拡大しており、2025年は「過去最大級」と言われている。入場料は前回の20カタール・リヤル(約860円、1カタール・リヤル=約43円)に対し、今回は50カタール・リヤルと大幅な値上げとなった。開催期間が4日から5日に拡大したこと、クロスリアリティ(XR、注)体験、脱出ゲーム、ステージショーなどコンテンツが増加したことが主な理由である。また、日本人の声優で、「ONE PIECE」のフランキー役を演じる矢尾一樹氏や作曲家・サウンドデザイナーで、ホラーゲームシリーズ「SILENT HILL」の音楽を手掛けた山岡晃氏などが招待されたことも理由の一つである。値上げ当初は若者を中心に落胆の声が上がったものの、理由を知って喜ぶファンも多かったという。
Geekdom物販コーナー(ジェトロ撮影)
今回のイベントで特に注目されたのはeスポーツ大会だ。「Valorant」「鉄拳(TEKKEN)8」「MLBB」など人気タイトルの決勝戦が大型スクリーンで実況解説付きで行われ、白熱した雰囲気が漂った。
eスポーツ大会(ジェトロ撮影)
任天堂のゲーム機(左)、eスポーツ関連商品(右)(ともにジェトロ撮影)
eスポーツ大会はカタールでのゲーム文化の高まりを象徴するコンテンツであり、同国ではeスポーツの人気が急速に高まっている。カタールのドーハ市内のモールにもeスポーツ関連の商品やゲーム機が並ぶ。
カタールを拠点とする英字日刊紙「The Peninsula Qatar」によると、同国のeスポーツ市場の規模は2024年に約1億2,570万ドルに達し、2027年には1億5,290万ドルへ成長すると予測されている。背景には、スマートフォンの普及によるモバイルゲームの浸透、若年層のデジタル嗜好、そして政府による「国家ビジョン2030」に沿った経済多様化戦略があるという。さらに、専用アリーナや高速ネット環境への投資、国際大会やフォーラムの開催など、eスポーツを文化・産業の両面で支える取り組みが進んでいる。
(注)実世界と仮想世界を組み合わせたり融合させたりする技術や体験の総称。
(和田梅花)
(カタール、日本、中東)
ビジネス短信 bf15aec36edf5534




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