チリ次期大統領のカスト氏、周辺国を歴訪し、治安・移民・経済協力を協議

(チリ、エクアドル、ペルー、アルゼンチン)

サンティアゴ発

2025年12月26日

チリ次期大統領のホセ・アントニオ・カスト氏は、大統領選挙での当選から10日足らずで周辺3カ国を歴訪し、治安・移民問題への対応や経済協力の強化を主要議題として各国首脳や外相と会談を行った。

カスト氏は当選直後の12月16日にアルゼンチンを訪問し、ハビエル・ミレイ大統領と会談を行った。会談で両首脳は、安全保障や国境管理、組織犯罪対策、貿易・投資促進、経済分野での協力などについて話し合った。両首脳は、両国関係が新たな勢いを得ているとの認識で一致し、今後は自由と私有財産の擁護を原則とし、協力と信頼に基づいて関係を進展させていくことを確認した。また、会談中にミレイ大統領は、2026年3月11日に行われる大統領就任式への出席を表明した。

12月22日にはペルーを訪れ、ウゴ・デ・セラ外相と会談した。ペルー外務省によると、治安対策や不法移民問題など共通課題への対応について協議した。カスト氏は両国が協力し調整を図ることが重要だと強調するとともに、2026年1月中にペルーを公式訪問する意向を表明した。

カスト氏は翌23日、エクアドルでダニエル・ノボア大統領と会談した。両者は、組織犯罪対策、不法移民の管理、国境地域の経済活性化を主要議題とし、両国間の関係強化について議論した。カスト氏は「組織犯罪は大陸全体にとって深刻な問題だ。各国は協力して取り組む必要がある」と強調した。さらに、ベネズエラからの不法移民を母国に戻すための「人道回廊」創設を提案した。

(高橋英行)

(チリ、エクアドル、ペルー、アルゼンチン)

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