世界半導体市場は2026年、1兆ドル規模に王手の予測
(世界)
調査部国際経済課
2025年12月04日
世界半導体貿易統計(WSTS)は12月2日、2025年秋季半導体市場予測
を発表し、市場が歴史的な1兆ドル規模に向けて力強く成長していることを明らかにした(添付資料図参照)。WSTSによると、2025年の世界半導体市場は前年比22.5%増の7,722億ドルとなる見込みだ。
主にロジックIC(前年比37.1%増、2,959億ドル)とメモリーIC(27.8%増、2,116億ドル)が成長を牽引しており、人工知能(AI)関連のアプリケーションとコンピューティング、データセンターインフラの継続的な需要に支えられている。ロジックICは前回の夏季予測
(8月4日発表)から8.1ポイント増、メモリーICは10.7ポイント増の上方修正となった。オプトエレクトロニクス(3.7%増、426億ドル)、センサー(10.4%増、209億ドル)は2024年のマイナス成長からプラスに転じるものの、成長率は緩やかだ。ディスクリート(0.4%減、309億ドル)は、主に自動車向けアプリケーションで需要低下が続き、わずかな減少が見込まれる。
地域別では、米州(前年比29.1%増、2,519億ドル)とアジア太平洋地域(24.9%増、4,214億ドル)で20%台の高成長が見込まれている。欧州(注1、541億ドル)は5.6%の緩やかな成長、日本(448億ドル)では4.1%の減少予測だ。なお、WSTS日本協議会
による円ベース(注2)の予測では、2025年の日本市場は6.3%減の6兆6,361億円となる見通し。
2026年は1兆ドル市場目前に
2026年の世界半導体市場については、前年比26.3%増の9,755億ドルに達すると予測している。前述の夏季予測から16.4ポイント増と、大幅に上方修正されている。2024年から3年連続の2桁成長で、大きく右肩上がりとなる。
2026年は、すべての製品群・主要地域でプラス成長を見込んでいるが、中でも、引き続きAI関連で高成長が予測される。製品別ではロジックIC(前年比32.1%増、3,909億ドル)とメモリーIC(39.4%増、2,948億ドル)、地域別では米州(34.4%増、3,386億ドル)で前年比30%を超える成長率を見込んでいる。
(注1)欧州には中東アフリカを含む。
(注2)為替レートは1ドル=148.0円を前提としている。
(宮島菫)
(世界)
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