鉄鋼特別法が制定、低炭素化・高付加価値化・事業再編を推進
(韓国)
ソウル発
2025年12月01日
韓国の産業通商部は11月27日、「鉄鋼産業の競争力強化および炭素中立転換に向けた特別法案」(以下、鉄鋼特別法)が国会の本会議で成立したと発表した。
鉄鋼産業が世界的な供給過剰への対応や二酸化炭素(CO2)排出量削減などが求められるなか、同法案の成立によって、低炭素化や高付加価値化に加え、今後の競争力確保を推進する。同法案の具体的な内容は次のとおり。
- 国務総理(首相)が所属する「鉄鋼産業競争力強化特別委員会」の設置、5年単位の基本計画と1年単位の実行計画を策定・履行
- 低炭素鉄鋼の基準・認証制度の構築(一定の基準を満たせば認証を取得、認証製品に対する財政支援などを実施)
- 低炭素鉄鋼技術の開発、実証実験、協力モデルの構築
- 低炭素鉄鋼特区の指定、支援
- 鉄リサイクル事業を手掛ける専門企業の育成
- 電力、水素、用水などの供給インフラ整備、拡充
- 各種許認可手続きおよび環境関連規制の特例措置
- 国際協力および人材育成
また、生産設備の合理化など事業再編を行う企業の要望に応じ、「独占規制および公正取引に関する法律」の特例も含まれている。特例では、事業再編計画の策定および履行のための必要最小限の情報交換、一定の要件を満たした上での共同行為(カルテル)や、企業結合の審査期間短縮を認めることとしている。
産業通商部の金正官(キム・ジョングァン)長官は「鉄鋼特別法が、大規模なコストと多くの時間を要する低炭素工程への転換と、高付加価値製品への転換に大きく貢献するだろう」と期待を述べた。
同法案は、国務会議での議決を経て公布され、その6カ月後に施行される。
(橋爪直輝)
(韓国)
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