アフリカ進出日系企業、黒字企業比率は2年連続で過去最高
(アフリカ、南アフリカ共和国、エジプト、コートジボワール、モロッコ、ガーナ、フランス、インド、ケニア、日本)
調査部中東アフリカ課
2025年12月18日
ジェトロは12月18日、「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アフリカ編)」を発表した。アフリカ19カ国に拠点を有する日系企業274社を対象にオンラインによるアンケート調査を実施し、とりまとめたもの。18カ国216社から有効回答を得た(有効回答率78.8%)。
2025年は過去最高の61.6%の企業が「黒字」見込み
2025年の営業利益見込みについては、61.6%の企業が「黒字」と回答し、2年連続で過去最高(注)を記録した。赤字を見込む企業は前年比3.9ポイント減の19.9%となった。国別の黒字企業割合では、南アフリカ共和国(76.2%)とエジプト(70.0%)が前年から減少も高水準を維持した。また、コートジボワールでは33.4ポイントの大幅な増加となった。
2026年の営業利益見通しでは、ケニア(56.5%)、モロッコ(60.0%)、ガーナ(83.3%)、コートジボワール(66.7%)で「改善」が5割以上となった。また、業種別にみると製造業で63.5%の企業が「改善」と答え、世界全体(40.8%)とアフリカの非製造業(39.4%)を大きく上回った。
今後1~2年で事業展開を「拡大」する企業の割合は世界で2番目の高水準
今後1~2年の事業展開については、「拡大」と回答した企業の割合がアフリカ全体で54.0%と、世界各地域の中で南西アジアに次いで2番目だった。国別に「拡大」の割合をみると、ナイジェリアで19.1ポイント増(66.7%)、コートジボワールで9.1ポイント増(72.7%)と前年から大きく伸びた。業種別にみると、製造業で7割を超える企業が「拡大」すると回答した。なお、2025年の営業利益見込みで「黒字」と回答した企業の56.5%が今後1~2年「拡大」するとした。
「拡大」の理由(複数回答可)をみると、「現地市場ニーズの拡大」(81.6%)が最多で、「輸出の増加」(31.6%)が続いた。また、「拡大」する機能としては、アフリカ全体の約7割が「販売」を拡大すると回答、「新規事業開発」を挙げた企業も4割超で続いた。
「アフリカ進出においてパートナーとなりうる第三国企業」では、フランスがトップで、インド、南ア、ケニアが続いた。チャンスやメリットでは「パートナー企業の取引先ネットワーク」を挙げた企業が6割を超えた。
(注)比較可能な2013年以降。
(加藤皓人)
(アフリカ、南アフリカ共和国、エジプト、コートジボワール、モロッコ、ガーナ、フランス、インド、ケニア、日本)
ビジネス短信 ae1e412016000fd9




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