スウェーデン政府、失業対策で雇用主負担税軽減など法案を提出

(スウェーデン)

ロンドン発

2025年12月05日

スウェーデン政府は11月6日、高止まりする失業率への対策のため、若年層(当該年初時点で18歳以上、23歳未満)に対する雇用主負担分の社会保険料および給与税を一時的に減額する案を立法審議会(Council of Legislation))に提出外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。スウェーデン経済の低迷を受けて、若年層の就業率は他の年齢層と比べても大きく落ち込んでいることから、若者の雇用を維持し、採用しやすい制度づくりを行う。

引き下げが実現すれば、月額給与が2万5,000スウェーデン・クローナ(約40万円、SEK、1SEK=約16円)以下の若年労働者を対象に、雇用主は報酬に対する雇用主負担分および一般給与税が一時的に引き下げられる。これにより、老齢年金保険料と、その他の保険料および一般給与税の半額のみが課せられることになる。一時減額は、2026年4月1日から2027年9月30日まで適用予定としている。

また、政府は11月11日、長期間病気休暇中の従業員に対する職場復帰を促すために、雇用主との合意の下、病気手当を受給したまま短期の試験的就業を可能とする法改正を提案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。従来の規則では、公的な職業安定機関からの復職支援制度の利用中は、病気手当と同額の復職手当を受給することが可能となっている。しかし、復職のために職場で試験的に就労する際には、各種手当は支給されない規則になっている。

改正案によれば、1年間に2週間ずつ、2回に分けて就業ができる試験期間を通じて、雇用主は従業員の職場復帰の適切な時期やそのために必要な措置を検討することができる。段階的な職場復帰が必要な従業員は、通常の労働時間の25%、50%、75%、100%という4段階の中で、時間を徐々に延ばしながら就労することが可能で、残りの時間についてはこれまでと変わらずに、病気手当が支給される。2026年3月1日からの施行を提案している。

(バリオ純枝、篠崎美佐)

(スウェーデン)

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