ペルー、製造業の約7割が大統領選イヤー2026年の設備投資に意欲
(ペルー)
リマ発
2025年12月18日
製造業で構成され国内で発言力を有するペルー工業協会(SNI)は、会員企業を対象とする2026年の経済展望に関する調査を実施し、その結果を発表した(地元経済紙「ヘスティオン」2025年12月16日)。
2026年のペルー経済の見通しについて、2025年と比較して「良くなる」と回答した企業は45%、「同じ」が49%、「悪くなる」が6%だった。製造業全体の見通しについては、「良くなる」が50%、「同じ」が41%、「悪くなる」が9%となった。製造業を取り巻く環境を前向きに捉える理由(複数回答)は、「政治と経済の安定性」が53%で最も多かった。次いで「効果的な治安対策」が49%、「活発な経済活動」が26%だった。
2026年の設備投資については「行う」と回答した企業が67%で、「行わない」は33%となった。採用者数については、「増加させる」が61%、「増加させない」が39%だった。
SNI専務理事でペルー製造業の経営環境と貿易への取り組みに詳しいアントニオ・カスティージョ氏は2025年12月17日、ジェトロのインタビューに対し「コロナ禍とエルニーニョ現象の影響を受けて2024年前半までペルー企業には厳しい経営環境が続いたが、その後は国内市場の伸びにより経営者は積極的な姿勢に転じている」と話す。
ペルーではこれまで、大統領選挙が近づくたびに企業は投資活動に慎重になり、消費も落ち込むという流れが繰り返されてきたことをどう捉えるべきか尋ねたところ、「30年前、20年前とはペルーの状況が異なることを理解する必要がある。政権交代と経済は切り離されており、企業経営者は企業間競争と市場開拓に集中できる環境にある」とコメントした。
ペルーでは大統領任期は5年と定められているが、汚職などにより2015年から2025年までの10年間に7人の大統領が就任している。一方、過去30年のペルーの実質GDP成長率は、エルニーニョ現象が発生した1998年と2023年、コロナ禍の2020年を除くとプラス成長となっている。
「政権交代と経済は切り離された」と話すカスティージョ氏(右)(ジェトロ撮影)
(石田達也)
(ペルー)
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