中国の自動運転開発企業、中東などで相次いでロボタクシー事業を展開

(中国、アラブ首長国連邦)

上海発

2025年12月18日

中国で自動運転技術の開発を手掛ける文遠知行(ウィーライド)は12月12日、米国の配車サービス大手ウーバーと共同で、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスを開始すると発表した。同ロボタクシーサービスは、発表当日からウーバーのアプリを通じて提供が開始されたものの、当面は安全確保のために添乗員を配置し、2026年初めの完全無人運転の本格運行に向けて準備を進めるとしている。

ウィーライドは2017年に設立され、2024年10月に米ナスダック、2025年11月に香港証券取引所にそれぞれ上場している。同社は中国のほか、UAE、シンガポール、フランス、米国、サウジアラビア、ベルギー、スイスの計8カ国で自動運転ライセンスを取得しており、世界11カ国の30以上の都市で自動運転技術の研究開発(R&D)や測定試験、運営を行っている。同社は2030年までに、世界市場で数万台規模のロボタクシーを運行することを目標にしている。

同じく自動運転開発企業の北京初速度科技(モメンタ)は2025年12月9日、ドイツのメルセデス・ベンツ、UAEの配車サービス企業ルモ(Lumo)と共同で、UAEの首都アブダビでロボタクシー事業を展開すると発表した。2026年にも、自動運転技術L4(注)を備えるサービスの正式運用を開始する計画だ。同社は、2025年末に上海市で完全無人の試運転を実施するとしたほか、米ウーバーと共同で2026年にドイツのミュンヘンでロボタクシーを運営する目標も打ち出した。

自動運転大手の北京小馬智行科技(ポニー・エーアイ)も、世界各地への進出を進めている。同社は2025年9月26日、2026年の完全無人運転商業化の実現に向け、UAEのドバイで自動運転公道試験の許可を取得し、走行試験も開始したと明らかにした。UAEのほか、既に中国、韓国、シンガポール、ルクセンブルク、カタールなどでもロボタクシー事業を展開しているという。

(注)中国工業情報化部による「汽車駕駛自動化分級(自動車運転自動化分類)」の国家標準で、自動運転レベルの1つ。L0からL5まで6段階あり、L4は高度自動運転と定義されている。

(劉元森)

(中国、アラブ首長国連邦)

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