インド版マイナンバーカード「Aadhaar」の新アプリがリリース予定
(インド)
調査部アジア大洋州課
2025年12月02日
インド固有識別庁(UIDAI)は、インドの生体情報(指紋・虹彩)と顔写真が登録された全国民のデジタルID「アーダール(Aadhaar)」の新しい公式アプリをリリースする予定だ(「エコノミック・タイムズ」紙2025年11月28日)。このアプリは、本人確認を完全にペーパーレス化するよう設計されており、最大の特徴はオフライン認証だという。また、携帯電話番号には本人確認、認証、そしてほぼすべてのAadhaarベースのサービスにひも付けられているため、その更新にはこれまでは必ずAadhaar登録センターで手続きを踏む必要があった。登録センターへのたび重なる訪問や手続きにかかる長蛇の列は、高齢者や障害者、そして遠隔地に住む人々にとっては煩雑となっている。新アプリがリリースされれば、登録センターに出向くことなく自宅や出先などから携帯電話番号の更新ができるようになり、大幅な手続き時間の削減につながるものと予想される。
インド政府も新アプリの導入には積極的な姿勢を見せており、UIDAIは11月18日に「Aadhaarアプリを用いたオフライン認証」に関するウェビナーを開催したと発表している(添付資料参照)。このウェビナーには、さまざまな分野から250以上の組織と個人が参加した。UIDAIの最高責任者ブブネーシュ・クマール氏は「オフライン認証は、ユーザーと組織の両方に、安全で便利、そしてプライバシーを保護する本人確認方法を提供する。Aadhaarの物理的または紙のコピーの共有や依存を抑止し、潜在的な不正行為の原因となる可能性を排除する」と強調した。
(野本直希)
(インド)
ビジネス短信 89cdea7cafb09317




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