オーストラリアのmRNAや再生医療関係者を神戸に招聘
(日本、オーストラリア)
神戸発
2025年12月09日
ジェトロは11月25~28日に、神戸市、神戸医療産業都市推進機構(FBRI)、オーストラリア・ビクトリア州と共同で「KBIC-Victoria CGT エコシステム強化プログラム」を実施した。ビクトリア州の再生医療関連機関「mRNA ビクトリア」に所在する再生細胞医療・遺伝子治療関連企業など7社・団体を招聘(しょうへい)した。
期間中、プログラム参加者は神戸医療産業都市(KBIC)内の遺伝子・細胞治療関連企業を訪問したほか、理化学研究所や神戸アイセンター病院などの研究機関を視察した。セミナー兼個別商談には日本企業約18社が参加し、プログラム参加企業・団体と共同研究の実施などに向けた積極的な商談が行われた。
神戸クリエイティブラボでのピッチイベントの様子(ジェトロ撮影)
11月27日には、バイオ医薬品製造人材の育成に取り組む、神戸市のバイオロジクス研究・トレーニングセンターを訪問した。2024年度に、ジェトロが実施した「再生・細胞医療・遺伝子治療製品製造・開発関連人材確保調査」(2025年7月
(2.1MB))では、神戸における再生・細胞医療・遺伝子治療の製造人材の不足や、人材育成への早期的な取り組みの重要性が指摘された。今回招聘したモナシュmRNA人材育成センターは、産学官連携による実践的な教育プログラムを展開し、細胞・遺伝子治療製造を担う人材育成に注力している。同センターからは、人材育成プログラムの内容やこれまでの取り組みに関する講演が行われ、神戸大学の内田和久教授と人材育成に向けた今後の連携の可能性について意見が交わされた。
モナシュmRNA人材育成センターによる講演(ジェトロ撮影)
日本最大規模の医療産業クラスターであるKBICには、50社を超える再生細胞医療・遺伝子治療関連企業が集積しており、国際競争力強化に向けて技術力・研究力の底上げに積極的に取り組んでいる。今回の招聘事業を契機に、オーストラリア企業と日本企業の協業やアカデミアとの共同研究の可能性を高めるとともに、将来的な神戸への進出を促進し、地域エコシステムのさらなる発展に貢献することを目指す。
(高橋美織)
(日本、オーストラリア)
ビジネス短信 87945b7fac344779




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