財政長官、香港が資本の安全な投資先として存在感を高めていると認識
(香港)
香港発
2025年12月02日
香港特別行政区政府(以下、香港政府)の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は11月23日、香港政府の公式ブログにおいて、「資本の安全な投資先として香港の存在感が高まっている」と主張した。地政学的緊張が高まる中、世界の投資家は資産ポートフォリオリスクを再評価し、投資戦略を調整しつつリスク分散を図っているとの認識を示した。
同ブログによると、香港の銀行預金残高は2025年に10%以上増加し、トータルで19兆香港ドル(約380兆円、1香港ドル=約20円)を超えた。また、香港は世界における新規株式公開(IPO)資金調達で主導的地位を築いており、活況を呈するウェルスマネジメント(注)業界、深化するグローバルパートナーとの金融協力も国際資本が香港市場を選好していることを示しているとし、2025年に実施された複数の大型IPOは、西欧諸国や中東地域の基幹投資家を引き付けているなどと指摘した。
同ブログは、陳財政長官が過去1週間に香港で開催された経済、金融、海運、コンベンション、展示会など多岐にわたる国際的な会議について振り返りまとめられたもの。これらの会議には世界各国・地域から業界リーダーや企業の幹部クラスが一堂に会し、各業界の課題、関心事や将来の展望などについて意見交換を行い、深い議論を交わす機会になったとした。また、陳財政長官は、これらの会議の場で、日々刻々と変化する国際的な地政学的状況が香港に新たな機会をもたらしていると指摘したとした上で、「中国本土とグローバル市場を結ぶ国際金融センターとして、香港はグローバル企業が本土市場に進出するための跳躍台から、本土企業と海外企業がお互いの市場にアクセスする多機能な双方向プラットフォームへと進化している。この進化は香港の国際金融センターとしての役割をより豊かにするとともに、その独自の機能を際立たせている」と述べた。
このほか、陳財政長官は同ブログの中で、会議に出席した多くの国際金融リーダーが、香港でのリーダーのチームや事業の拡大計画を示していたと明らかにした。
(注)富裕層や高所得者向けに資産の最適化や保全などを行う総合的な管理サービス業。
(越川剛)
(香港)
ビジネス短信 83da7981567e4b48




閉じる
