第3四半期のGDP成長率、前期比0.9%と堅調
(ポーランド)
ワルシャワ発
2025年12月18日
ポーランド中央統計局(GUS)は12月1日、2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(季節調整済み)を前期比0.9%、前年同期比3.8%と発表した(プレスリリース
、添付資料表参照)。前期比は4四半期連続、前年同期比は9四半期連続でのプラス成長となった。
第3四半期のGDP成長率(前期比)を需要項目別にみると、国内需要は0.5%増で、9四半期連続で伸びた。最終消費支出は1.0%増で、そのうち個人消費は0.1%減とマイナスだった一方、政府消費支出は1.8%増となり、11四半期連続で堅調な伸び率を維持した。総資本形成は0.9%増と持ち直し、そのうち総固定資本形成は公共投資の回復と企業設備投資の増加が寄与し、3.5%増とプラス成長に大きく転じた。輸出は2.7%増、輸入は2.4%増となった。
産業別(前期比)でみると、工業は1.6%増、運送・倉庫業は1.1%増、宿泊・飲食業は0.8%増、建設業は0.6%増、不動産業は0.4%増、情報・通信業は0.3%増と伸びを示した。一方で、流通・自動車修理業、金融・保険業はそれぞれ0.2%減、1.8%減と振るわなかった。
ポーランド経済研究所(PIE)は今回の発表を受け、ポーランド経済の成長は再び加速の兆しを見せており、その主因は引き続き民間消費にあると分析している。OECDは2026年のポーランドの実質GDP成長率を3.4%と見込み、ポーランド国立銀行(NBP、中央銀行)は2025年11月の最新予測で3.7%程度の成長を見込んでいる。また、一部の市場アナリストが外部環境の改善やEU資金の活用が加速することを前提に4%台のシナリオを提示していることから、同研究所は、国内の分析機関は楽観的な見方をしていると論じた。加えて、成長の牽引役は消費と投資とし、特に投資は2026年に前年比8%増の見込みとの市場コンセンサスが形成されていると強調した。一方で、予測には不確実性も残るとし、外需の停滞、家計における貯蓄の継続、EU資金の未活用などをリスク要因として指摘した。
(金杉知紀)
(ポーランド)
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