11月の貿易赤字は245億3,000万ドルに縮小、輸出が増え輸入は減少

(インド)

ムンバイ発

2025年12月18日

インド商工省(MoCI)が12月15日に発表した「貿易統計(速報値)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2025年11月の貿易収支(サービスを除く)は約245億3,000万ドルの赤字だった(添付資料図参照)。エンジニアリング製品や電子製品などの輸出増加に加え、金や原油などの輸入減少を受け、赤字幅は前月から縮小した。輸出額は381億3,019万ドルで前年同月比19.4%増加、輸入額は626億6,269万ドルで1.9%減少した。追加関税発動後に減少していた米国への輸出は69億8,281万ドル(前年同月比22.6%増)となり、大きく反発した。

輸出額の内訳をみると、金額の大きいエンジニアリング製品が110億1,220万ドル(前年同月比23.8%増)、電子製品48億1,366万ドル(39.0%増)、石油製品39億3,152万ドル(11.7%増)、宝石類26億4,139万ドル(27.8%増)、医薬品26億679万ドル(20.9%増)、有機・無機化学製品23億4,288万ドル(18.5%増)など、主要品目の多くが増加した。

輸入に関しては、電子製品87億5,227万ドル(前年同月比16.0%増)、電気・一般機械50億2,590万ドル(14.9%増)、輸送機器28億3,990万ドル(7.2%増)、非鉄金属23億8,659万ドル(15.7%増)などが増加した。一方で、輸入額の大きい石油製品・原油141億1,592万ドル(11.3%減)、金40億2,096万ドル(59.2%減)などは減少した。

現地報道によると、11月の輸出増加と輸入減少について、地場格付け会社ICRAのチーフエコノミストであるアディティ・ナヤル氏は、祝祭期後のサプライチェーンの正常化や、祭礼後の消費需要の鈍化が影響したとの見方を示した。また、10月に米国の追加関税を背景に輸出が落ち込んだ反動もあり、11月の輸出は回復したとされる。商工相のピユシュ・ゴヤル氏は、11月の輸出増が10月の減少分を補う規模になったと述べた。さらに、インド輸出業者連盟(FIEO)のS.C.ラルハン会長は、輸出業者が市場の多角化を進めている点が輸出回復を下支えしていると指摘した(「タイムズ・オブ・インディア」紙12月16日)。

(篠田正大)

(インド)

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