日本とメルコスールが「日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み」の立ち上げを発表

(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビア、メルコスール、日本)

調査部米州課

2025年12月22日

ブラジル外務省は12月20日、日本とメルコスール間で戦略的パートナーシップ枠組みを立ち上げたことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。共同声明(注1)によると、両国地域は今後、貿易投資促進、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化、デジタル経済、エネルギー転換、グリーントランスフォメーションなど経済分野における協力を深化させる。

日メルコスール戦略的パートナーシップ枠組みは、2025年3月にブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領が日本を公式訪問した際、日・ブラジル首脳会談後に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされたアクションプランの中で言及された。アクションプランの中では、同パートナーシップ枠組みのもとで、両国地域における貿易投資促進のための議論を進展させることが明記されている。

メルコスールは、1991年に締結されたアスンシオン条約に基づき創設され、1994年以降、関税同盟として機能している。アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国から構成される(注2)。域内人口は2億7,141万人、同GDPは3兆727億ドルで、GDPはASEANの7割強に相当する(注3)。中でも、ブラジルが人口(2億1,336万人)およびGDP(2兆2,569億ドル)において最大で、ともにメルコスール全体の7割以上を占める。

日本とブラジル間の貿易は拡大の余地がある。日本は、ブラジルの輸出額全体の1.7%、輸入額全体の2.1%を占めるに過ぎない(注4)。日本からの輸入品は、自動車関連部品を含む製造品が多い。12月21日付現地紙「ブルームバーグ・ブラジル」によれば、日本とブラジルを含むメルコスール間のさらなる貿易の活性化が期待されている。

(注1)ポルトガル語の共同声明は、ブラジル外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。日本語(仮訳)および英語版は、日本の外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(注2)記載の4カ国はメルコスールの正式加盟国。ボリビアは2024年7月、議会で加盟議定書を批准した。現在は、2028年までに国内法規をメルコスールの規制や枠組みに適用させるべく準備中(2024年7月8日ビジネス短信参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(注3)ASEAN10カ国(東ティモールを除く)の域内GDPは4兆1,673億ドル。人口およびGDPはいずれも2024年(IMF)のもの。

(注4)出所は、ブラジル開発商工サービス省(MDIC)。データは2024年。

(辻本希世)

(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビア、メルコスール、日本)

ビジネス短信 738df5a2fe4f2902