フィリピン、2026年ASEAN議長国としてAI活用を強調

(フィリピン、ASEAN)

マニラ発

2025年12月01日

フェルディナンド・マルコス大統領は11月14日、マニラ市のフォロ・デ・イントラムロスにおいて、2026年にフィリピンがASEAN議長国を務めることを発表した。「共に未来をひらく」をテーマとし、次の3つを重要優先事項として挙げた。

  • 平和と安全保障の基盤
  • 繁栄の回廊
  • 人々のエンパワーメント

「平和と安全保障の基盤」では、安全保障関連での早期警戒システム、海洋状況の把握、人道支援・災害対応(HADR)における人工知能(AI)の活用など、ASEANが安全保障の課題を予測して対応するため、AIの責任ある倫理的な活用に重点的に取り組むと述べた。

「繁栄の回廊」においては、フィリピンが貿易の円滑化、デジタル化、イノベーションなどの分野におけるAIの導入を通じて、ASEANのデジタル化を推進すること、地域の競争力を高め、中小企業(SMEs)を支援し、包摂的かつ持続可能な成長を促進することを目指すとした。

「人々のエンパワーメント」では、フィリピンは、より幅広い層が基礎的なサービスが受けられるよう、医療、教育、若者育成を強化するためにAI活用を推進するとした。

開催地はマニラだけでなく、セブ、ボホール、ボラカイ、ラオアグ、イロイロ、タガイタイ、クラークといったフィリピン各地での開催を予定しており、マルコス大統領は「ASEANがフィリピン国民の精神を体験する機会となる」とコメントした。なお、フィリピン大統領府は、2026年5月および10月の第48回、第49回ASEAN首脳会議の開催に向け、議会に対して175億ペソ(455億円、1ペソ=約2.6円)の予算の承認を求めている(10月28日付「インクワイアラー」紙)。

(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)

(フィリピン、ASEAN)

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