アフリカ進出日系企業調査、天然ガスなどを有望視、注目国1位はケニア

(アフリカ、ケニア、ナイジェリア、コートジボワール)

調査部中東アフリカ課

2025年12月19日

ジェトロは12月18日、「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アフリカ編)」を公表した。アフリカ19カ国に拠点を有する日系企業274社を対象にオンラインによるアンケート調査を実施し、とりまとめたもの。18カ国216社から有効回答を得た。

アフリカに進出する日系企業が有望視するビジネス分野(複数回答)としては、「資源・エネルギー」が46.5%で最も回答が多かった。その中では、「天然ガス」が前年から9.5ポイント増の43.5%で、「再エネ(太陽光)」と並びトップとなった。国別では、特にモロッコ、コートジボワール、モザンビークに所在する企業から有望視されている。2位は「消費市場」(43.9%)で、「食品」(59.8%)と「輸送機器」(二輪、四輪など、49.4%)が特に有望視された。3位は「インフラ」(38.4%)で、うち「電力」が60.5%と最も回答を集めた。その他、「医療・保険」や「スマート農業」を有望視する回答も多く、「AI(人工知能)」と「ビッグデータ」を有望視する企業の割合も前年から増加した。

今後の注目国(複数回答)では、ケニアが41.3%で引き続きトップとなった。同国は投資環境面での魅力を尋ねる設問(複数回答)においても、「所在国の市場規模/成長性」(83.3%)に加え、「駐在員の生活環境」(50.0%)や「インフラ(電力、物流、通信など)の充実」(30.0%)といった項目で他のアフリカ諸国と比較して高い数値を記録した。2位はナイジェリア(35.4%)、3位は南アフリカ共和国(30.7%)と続いた。コートジボワールは2019年度には16.8%だったが、2025年度は南アとわずか0.5ポイント差(30.2%)の4位に浮上した。コートジボワールは、投資環境面での魅力として「安定した財政・金融・為替」との回答が70.0%と突出して高かった。

(波多野瞭平)

(アフリカ、ケニア、ナイジェリア、コートジボワール)

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