タイ・バンコクで製造業DX・AIセミナー&商談会を開催

(タイ)

バンコク発

2025年12月26日

ジェトロは12月11日、タイの首都バンコクで製造業向けの「DX・AIセミナー&商談会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催した。

本イベントでは、「製造業DX・AIの『何から?』を『ここから』へ」をコンセプトに、ビジネス環境や今後の方向性に関する情報提供や、参加者同士やデジタルトランスフォーメーション(DX)・人工知能(AI)サービス企業との交流を通じ、DX推進や経営に向けた第一歩を支援する場として開催された。また、商談会やネットワーキングも行われ、約120人が来場した。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーでは、ジェトロ、海外産業人材育成協会(AOTS)、タイ投資委員会(BOI)など、日タイ両国の政府関連機関が登壇し、日系企業が活用可能な支援施策や人材育成プログラムを紹介した。泰日経済技術振興協会(TPA)元事務総長のナレス・ダムロンチャイ氏の特別講演では、日系企業に対し、タイ企業との協業への期待とともにエールが送られた。

また、製造業におけるDXの先進実例として、デンソーセールス(タイ)のジェネラルマネージャーの石橋孝祥氏は、DXによる生産性向上や省人化の定量的成果を紹介した。また、ワイエヌツーテック(タイランド)の代表取締役社長・中村亮太氏からは、優しさと厳しさでタイ人スタッフに寄り添い、強い現場を作る実例が紹介され、参加者は多角的な視点からDXの意義や実践例を学んだ。

商談会・交流会では、製造業企業の利用実績のある日系DXサービス企業22社が出展した。商談会冒頭に各社が1分ピッチを行い、IoT(モノのインターネット)、データ活用、省人化、業務効率化などのソリューションを紹介した。その後、参加企業との間で具体的な課題を踏まえた商談や意見交換が行われた。併せて、BOIやAOTS、TPA、ジェトロなどの公的支援機関も会場内に相談ブースを設け、個社の支援ニーズに対応した。

写真 商談会の様子(ジェトロ撮影)

商談会の様子(ジェトロ撮影)

参加者からは、「セミナーだけでなく、DXサービス企業と話をしながら実例も聞けて、DXを体感する機会になった」「DX潮流、BOI含め各支援策を理解するきっかけになった」「タイでも利用できるDXサービスが思っていた以上にあり、中小企業でもDX化を進める必要があると感じた」「1分ピッチが分かりやすかった」などの声があった。参加者アンケートでは、95%が「大変満足」「満足」と回答した(回答率78%)。

タイでは自動車産業をはじめ製造業企業を取り巻く経済情勢が変化していく中、タイ国内でも少子高齢化による労働人口減少、賃金上昇が進み、タイ政府もデジタル化を重点分野として推進している。日本企業が競争力を高めるためには、デジタル活用による効率化・省人化、経営戦略としてのDXが鍵となる。

(山崎牧子、長崎博明、コーチットメート・パラミー)

(タイ)

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