高度外国人材活躍中国地域コンソーシアム、鳥取で留学生と企業の交流会を開催
(日本)
鳥取発
2025年12月22日
高度外国人材活躍中国地域コンソーシアム(注)は12月10日、「留学生と企業との交流会in鳥取」を鳥取市で開催した。高度外国人材の採用に関心のある、または採用の拡大を検討する中国地域の企業と日本での就職に関心を持つ外国人留学生を対象とした。企業側は、鳥取県、島根県の製造業、金融業、IT業、サービス業を中心に計9社、外国人留学生は、鳥取県、島根県、岡山県、兵庫県から計59人が参加し、日本や参加企業での就職について意見を交わした。
本交流会は、全国で一番人口が少なく人手不足の声も多く聞かれる鳥取県において、参加企業が留学生との対話を通して多様な国籍や文化的背景、専門知識を持つ留学生への理解を深め、採用の検討につなげることを目的として実施した。また、留学生に鳥取県、島根県の山陰地域の環境、企業や地方での働き方を知ってもらうことで、同地域への就職を促す狙いもある。
留学生からは、参加企業からのキャリア形成に関する質問に対し、「大学で勉強した自分の専門性を生かして、まずはインターンシップで働いてみたい」「(鳥取は都会と異なり)ゆったりとした雰囲気があり、良い環境で働けそう」と地方での就職も前向きに捉える声が聞かれた。一方で、「数年間、日本で働いた後は、母国へ帰って仕事をしたい」との率直なコメントも聞かれ、日本での就職を希望するものの、永続的に働くことは難しいとの立場を示す留学生も見られた。
交流会の様子(ジェトロ撮影)
今回参加した鳥取県で飲食業、製造業を営むブリリアントアソシエイツの福嶋登美子代表取締役は、「人手不足が深刻化する中、人材確保も(海外人材を活用するなど)グローバルな視点で考えていかなければならないと思っていた。今回の交流会でさまざまな国の学生と話してみて、外国人材を採用し、外部向けの情報発信などで活躍してもらいたいと感じた」と話し、インターンシップなどを通じた外国人材の採用に意欲を示した。
本交流会に先立ち、高度外国人材活躍中国地域コンソーシアムでは、中国地域内の大学などの教育機関向けに留学生の就職支援を向上させるセミナーを実施した。セミナーでは、留学生の就職活動の指導方法について専門家から解説を行うとともに、他地域での大学間連携の事例を紹介し、今後の中国地域内においても大学間連携の動きを模索していくこととなった。今後は、中国地域の企業向けに外国人材採用に関するセミナーも実施予定で、企業、教育機関、自治体などと連携しながら、外国人留学生の同地域への就職を後押ししていく。
(注)地元企業の海外展開促進や地域経済の活性化を目指し、大学、経済団体、企業、金融機関、自治体などの関係機関が連携して、地域での高度外国人材の採用を推進する取り組み。中国地域では、中国経済産業局、中国経済連合会、ジェトロが事務局を担う。
(角岸右京)
(日本)
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