豊田通商、マンダル工業団地に「安全体感道場」を開設

(インド)

アーメダバード発

2025年12月02日

豊田通商インディア(TOYOTA TSUSHO INDIA: TTIPL)は、インド西部グジャラート(GJ)州のマンダル日本企業専用工業団地に入居する子会社、豊通バーラト・インテグレーテッド・サービシズ(TOYOTSU BHARAT INTEGRATED SERVICES:TBIS)の敷地内に「安全体感道場」を開設した。同施設は従業員個人の安全意識を向上させるべく、製造業の現場における危険を体験し、意識改善につなげることを目的としている。

安全体感道場では、製造現場に潜む事故リスクのシミュレーションを用意しており、ヘルメットや安全靴、シートベルトなどの安全装備着用の重要性を学び、従業員の負傷や火災などの事故を防ぐ方法を習得することができる。また、バーチャルリアリティー(VR)を活用し、実際に起きたトラブルの事例を体験する設備も備えている。対象とする従業員や目的に応じて9つのトレーニングコースがあり、これまでは主に同社内の人材育成の一環として設備を活用してきたが、今後は周辺地域の進出日系企業も有償で利用可能とした。

豊田通商インディアの八廣展明取締役社長は11月18日に行われた開設式で、「安全第一の考え方は、現場で働くすべての従業員にとって重要な責任だ。安全体感道場は豊田通商における事故の発生を減らすためだけでなく、GJ州全体の安全意識を向上させることを目指している」と述べた。

GJ州では半導体や自動車産業を中心とした産業集積が進む一方で、進出日系企業の間では、ワーカーのソフトスキルが他州と比較して低いことが課題として挙げられている。そうした中、TTIPLでは日本の経済産業省から「日本式ものづくり学校」の認定を受けた「Toyota Tsusho NTTF Training Centre(TNTC)」を運営し、製造現場のリーダー候補となる人材を育成する取り組みも行っている。新たに開設された安全体感道場とあわせて、GJ州の製造現場における人材育成や、安全への取り組みが一層改善されることが期待される。

写真 安全体感道場の様子(ジェトロ撮影)

安全体感道場の様子(ジェトロ撮影)

(飯田覚)

(インド)

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