CGEMとCNDP、個人データ保護の促進に向け協定締結、国内企業の意識強化へ
(モロッコ)
ラバト発
2025年12月15日
モロッコ経団連(CGEM)と国家個人データ保護委員会(CNDP)は11月13日、個人データ保護の促進とモロッコ企業が「法律09-08
」(注)への準拠を図るための支援を目的とするパートナーシップ協定に署名した(11月13日付CGEM
)。
この協定を通じて、CGEMはCNDPが開始した「DATA‑TIKA」プログラム
に参加する。このプログラムは2020年7月9日に開始されたもので、企業のデータガバナンスおよびデータのセキュリティー強化を目的としている。
CNDPによると、協定の主軸は次のとおり。
- CGEM加盟企業の個人データ保護に関する問題を特定し分析するために、CGEMとGNDP間の協力を強化する。
- CGEM加盟企業が「法律09-08」の要件を順守するための取り組み支援を目的としたメカニズム「CGEM‑CNDP回廊」の設置
併せて、個人データの責任ある利用に関する意識啓発ワークショップの開催なども含まれるとしている。
CGEMは、この協定を、CGEMが推進する国際的模範例の創出および国家のデジタル主権に関する優先事項に沿った、責任ある倫理的かつ安全なデジタルトランスフォーメーションを促進する取り組みの一環とした。
マイクロソフトが2025年10月に発表したMicrosoft Digital Defense Report 2025
では、2024年7月から2025年6月にかけて、モロッコはアフリカで3番目に多くサイバー攻撃を受けた国となった。これを受け、国内でも情報セキュリティー強化の重要性を指摘する報道がみられた。
11月13日付地元メディアLE MATIN紙によると、モロッコ企業がデジタル変革を加速させ、セキュリティーとデジタル倫理に関する課題を把握することが不可欠になっている中、この協定はモロッコ企業の競争力と信頼性を高め、安全な経済環境の構築に寄与するという。
(注)2009年2月18日公布。個人のプライバシーを侵害する恐れのあるデータの不正使用から個人を効果的に保護し、モロッコの個人データ保護制度を、特に欧州のパートナーの制度と調和させることを目的とする法律。CNDPを設置。
(鈴木優香)
(モロッコ)
ビジネス短信 5d95e7155b072747




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