布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2025」に合わせ台湾と韓国のバイヤーを招聘
(日本、台湾、韓国)
山梨発
2025年12月15日
ジェトロは11月25~28日、台湾と韓国のバイヤーを招聘(しょうへい)し、山梨県の織物事業者との商談や産地視察を実施した。
本招聘事業は、織物の産地である山梨県富士吉田市で11月22日~12月14日開催の布をテーマにした国内唯一の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2025」(注)(主催:富士吉田市)に合わせて実施。織物製品や生地に関心がある台湾と韓国のバイヤー4社(セレクトショップやミュージアムショップの購買責任者、インテリアデザイナーなど)を招聘し、本芸術祭の展示や、会場内に開設された織物事業者の商品のサンプル展などを視察したほか、織物事業者5社を訪問し個別商談を行った。山梨県絹人繊織物工業組合、富士吉田商工会議所、富士吉田市との共催で実施した。
本芸術祭を視察したバイヤーは、「アーティストと織物事業者のコラボレーション作品を見て、それぞれの織物事業者が積極的に新しいことに取り組もうとしている姿に感銘を受けた」「産地の力や多様性を感じた。今後、コラボレーション商品を製作してみたい」と期待を示した。
「FUJI TEXTILE WEEK 2025」視察の様子(ジェトロ撮影)
個別商談では、バイヤーが富士吉田市や西桂町内の織物事業者を訪問し、工場やショップを視察。織機の種類や織りの技術の難しさについて熱心に質問したり、ストールや傘、ブランケットなどの織物製品を手に取り、サイズや手触り、素材や強度を確認したりした。バイヤーからは、「山梨の織物の歴史や文化、物語を顧客に説明したい」「織りの技術の高さに感動した。現地に流通している雑貨は柄をプリントしたものが多いので差別化できる」(台湾バイヤー)、「山梨の和紙の糸など地域の自然を生かした素材が印象的」(韓国バイヤー)といったコメントがあった。参加した事業者は、「現地での売れ筋商品や、市場に合うデザイン・サイズについて意見交換ができてよかった」と述べた。
織物事業者との商談の様子(ジェトロ撮影)
山梨県絹人繊織物工業組合は、山梨県やジェトロ山梨の支援を受け、台湾・韓国での販路開拓に取り組んできた。本招聘事業を契機に、織物事業者はビジネスの具体化に向けてバイヤーと商談を進める予定。
(注)富士吉田市は、古くから絹織物の産地として知られ、高級織物やデザイン性の高い布製品を生産している。FUJI TEXTILE WEEKは、同市の伝統産業および地域活性化を目的として2021年からスタート。テキスタイルと芸術の融合をコンセプトとして開催されている。
(渡部真実)
(日本、台湾、韓国)
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