情報通信開発庁、シンガポール発映像コンテンツの世界展開支援へ

(シンガポール)

シンガポール発

2025年12月08日

シンガポールのタン・キアットハウ上級国務相(デジタル開発・情報、保健担当)は12月3日、同国発の映画やテレビなど映像コンテンツ開発を支援する新プログラム「タレント・アクセラレーター・プログラム(TAP)」の実施を発表した。2025年で26回目を迎えた映像コンテンツの国際会議・展示会「アジア・テレビ・フォーラム&マーケット(ATF)」で明らかにした。

TAPは、デジタル開発・情報省傘下の情報通信開発庁(IMDA)が管轄。シンガポール発の映像コンテンツの国際展開を支援するため、企画から制作、国際配給までを包括的に支援する。同プログラムの期間は3年間で予算規模は2億シンガポール・ドル(約240億円、Sドル、1Sドル=約120円)。企画段階では、資金調達や配給計画、知的所有権(IP)などに関するメンタリングを提供する。また、国際レベルの共同制作への共同出資も行うとしている。さらに、配給段階では、IMDA内に専任のマーケティングチームを設置するほか、認定されたプロジェクト向けにマーケティングの基金も設ける。TAP申請に関する詳細は、2026年第1四半期に発表される予定だ。

タン上級国務相は、TAPによって「シンガポールの国際的な共同制作ハブとしての地位と、クリエイティブ分野において信頼できるパートナーとしての役割を強化できる」と述べた。また、「シンガポールは世界のクリエイターが出会い、学び、協業し、制作する場所であり、ATFとシンガポール・メディア・フェスティバルが引き続き重要なプラットフォームとなる」と強調した。ATFは、IMDAが毎年開催しているシンガポール・メディア・フェスティバルの関連イベントの1つ。

フランスのメディア調査会社メディアメトリ傘下のグランス(Glance)のシニア・リサーチ・アナリスト、アンチー・リュー氏が同日の会議で明らかにしたところによると、2025年にアジアで共同制作されたテレビや映画などの映像コンテンツのうち、シンガポールを筆頭に東南アジアが18%を占めた。

写真 ATFで記念撮影に応じるタン・キアットハウ上級国務相(左)(ジェトロ撮影)

ATFで記念撮影に応じるタン・キアットハウ上級国務相(左)(ジェトロ撮影)

(本田智津絵)

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