香港保険業監管局が保険業界と連携し、団地火災被災者を最大限支援

(香港)

香港発

2025年12月10日

香港保険業監管局(IA)は11月27日、前日に香港北部大埔区の住宅団地「宏福苑」で発生した大規模火災による被災者への支援および援助を、保険業界と連携しつつ最大限行っていくことを表明した。

上級管理職が統括するタスクフォースを設置し、関係する保険会社による対応作業を推し進めるとともに、被災者からの問い合わせや保険金請求に対応するための十分なリソースを確保するとした。

姚建華(ステフェン・イウ)IA理事は、社会を安定させる機能の役割を担う保険は、重大な事態が発生した際には緊急支援を提供すべきとした上で、火災発生後、保険会社各社が直ちに緊急措置を講じていることを強調。具体的には、専用ホットラインの設置、保険金請求手続きの簡素化および迅速化、保険契約の補償範囲を超える追加支援の提供などによって、被災者の困難克服を支援していると述べた。

張雲正(クレメント・チャン)IA局長は12月3日の記者会見において、今回の火災により影響を受けた人々が加入している保険契約数は8,700件と発表した。およそ30社に分散しているこれらの契約のうち、7,600件は生命保険契約、1,100件は損害保険に関連する契約だという(「香港電台網站」12月3日)。

張局長は、すべての保険会社の対応が非常に迅速かつ協力的であったとした上で、負傷し入院された人々が自身の保険代理店を探すのが困難であるかもしれないことを考慮し、医院管理局(HA)に保険会社の連絡先を患者に伝える支援が可能かどうかについても打診したことも明かした。また、被害者家族の中には、被災した家族が保険に加入していたか分からない場合があり得ることを考慮し、調査を支援する意向も示した。さらに、保険はリスクを管理するものであり、相互にリスクを分担するものと理解すべきとした上で、すべての保険会社が再保険に加入していることにも言及した(「香港電台網站」12月3日)。

香港保険協会(HKFI)とIAへのホットラインはこちら外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで参照できる。

(越川剛)

(香港)

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