トランプ米大統領の支持率は41%に回復、求められる住宅価格の手頃さ、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年12月10日

最近の米国の世論調査では、ドナルド・トランプ大統領の支持率は41%に持ち直した。他方、シンクタンクは、トランプ大統領の関心と国民が直面している課題とのずれを指摘している。

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは12月9日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、トランプ氏の支持率は41%と前週(39%)から回復した。純支持率(支持率と不支持率との差)はマイナス14%で、前週(マイナス19%)から5ポイント上昇した。人種別でみると、ヒスパニックが39%、黒人が18%と前週(35%、14%)よりそれぞれ4ポイント上昇した。白人も47%と前週(45%)より2ポイント上昇した。

また、手頃な価格の住宅を見つけることが「非常に難しい」(47%)あるいは「やや難しい」(40%)との結果になった。支持政党別では、民主党支持者で「非常に難しい」あるいは「やや難しい」と89%が回答し、無党派層(87%)、共和党支持者(82%)も高い割合だった。

ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが12月に実施した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)によれば、経済状況が良いと思った時期はいつだったか聞いたところ、「新型コロナ禍(2020年)以前」との回答が48%とほぼ半数だった。経済状況を考える際、個人的に最も重要な指標としては、約6割(59%)が「インフレと生活費」を挙げた。

トランプ氏がインフレとの戦いに「負けている」との回答は57%で、「勝っている」(43%)を上回った。2025年の経済成長の見通しとしては、3~5%の成長を予想する割合が最も多く37%、マイナス成長(34%)、2%成長(19%)、1%成長(11%)が続いた。

トランプ大統領の政策と米国民の意識のずれ

超党派シンクタンクのブルッキングス研究所は12月4日の論考外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、トランプ大統領の政策の焦点が、米国が直面する最も重要な課題と国民がみなしているものと一致していないと指摘している。連邦政府機関の予算削減や犯罪歴のない不法移民の逮捕など、トランプ氏が目標達成に向けて対応していることが過剰と捉えられているとしている。

(注1)実施時期は2025年12月5~8日。対象者は全米の成人1,530人。

(注2)実施時期は2025年12月2~4日。対象者は全米の登録有権者2,204人。

(松岡智恵子)

(米国)

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