アフリカ進出日系企業調査、コートジボワールが注目国4位に浮上
(アフリカ、コートジボワール、日本)
調査部中東アフリカ課
2025年12月25日
ジェトロは12月18日、「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アフリカ編)」を発表した。アフリカ19カ国に拠点を有する日系企業274社を対象にオンラインによるアンケート調査を実施し、とりまとめたもの。18カ国216社から有効回答を得た(有効回答率78.8%)。
アフリカ進出日系企業の「今後の注目国(複数回答可)」では、コートジボワールが2019年度には9位、2024年度は5位だったところ、2025年度は3位の南アフリカ共和国とわずか0.5ポイント差(30.2%)の4位まで浮上した。さらに、在コートジボワール日系企業がコートジボワールを注目する割合は90.9%と進出済の企業も注目している。なお1位はケニア、2位はナイジェリアだった。
コートジボワールに進出する日系企業が有望視するビジネス分野(複数回答)としては、「資源・エネルギー」が72.7%で最も多く、自動車や食品を含む「消費市場」や「インフラ」が同率45.5%で続いた。注目点に関する企業コメントでは、農業、カカオ、天然ゴム、カシューナッツなども挙がった。
2025年の営業利益見込みについては、コートジボワールでは33.4ポイントの大幅な増加で66.7%となった。今後1~2年の事業展開に関しても72.7%が拡大すると回答し、拡大の理由は「現地市場ニーズの拡大」が最も多かった。
拡大する機能としては、販売、新規事業開発、カスタマーサービス、地域統括拠点などが挙がった。コートジボワールではフランス語が公用語となっており、西アフリカ仏語圏のハブ拠点として注目しているとの企業コメントもあった。パートナーとなりうる第三国企業を聞く設問ではフランスが首位となるなど、アフリカのフランス語圏でのビジネス動きにも注目だ。利用を検討しているEPA・FTA・関税同盟などの利用状況についても、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)、東アフリカ共同体(EAC)関税同盟に次いで、フランス語諸国も多い西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が3位となった。
コートジボワールの投資環境面の課題として、「規制・法令の整備、運用」や「不安定な政治・社会情勢」が挙がった。企業活動に影響を与えている政治・外交的な動きとしては、「クーデター、内戦、紛争」が77.8%で最多だった。周辺国では近年、クーデターなども起こっている。また、人材獲得を巡る競争に関しては、中国系企業と競争が激化しているとの回答が45.5%と高い。なお、日系企業における管理職の外国人比率もアフリカの中では高かった。
(井澤壌士)
(アフリカ、コートジボワール、日本)
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