米ロングビーチ港、水素燃料トラックへの移行を加速化させるための助成プログラムを開始
(米国)
ロサンゼルス発
2025年12月19日
米国カリフォルニア州ロングビーチ港は12月16日、ディーゼル燃料を使用するトラックから水素燃料電池トラックへの移行を促進するため、助成プログラムを開始することを発表
した。同プログラムを通じて、港湾当局は対象となる運送事業者に対し、水素燃料にかかる費用として最大1,000万ドルの補助金を提供する。同プログラムによる助成金がすべて活用された場合、少なくとも370万マイル(約595万キロメーター)分のゼロエミッション走行による輸送が実現する見込みとされる。
同港は米国で貨物取扱量が2番目に多いが、海運業界誌「アジアカーゴニュース」の最優秀グリーンポートに選出されるなど、脱炭素化の取り組みを積極的に進めてきた。これまでに、充電ステーション、トラック購入補助金、実証事業などバッテリー電気トラック関連の事業に2,750万ドルを投じている。これらの投資により、ディーゼル燃料を使用するトラック約540台がバッテリー電気トラックに移行したとされる。また、港湾当局は燃料電池トラック関連事業にもこれまでに145万ドルを投じており、約100台の水素燃料電池トラックが同港で運行しているという。
今回発表されたプログラムでは、港湾当局の職員が燃料電池トラックの同港ターミナルへの入港を確認後、燃料の使用量に応じて利用者に対して毎月払い戻しが行われる仕組みとなる。ロングビーチ港湾委員会のフランク・コロンナ委員長は「近年、燃料電池トラックの運行事業者は燃料費の急激な上昇に直面している。助成プログラムは、市場が成熟するまでの間、航続距離の長さと燃料補給のスピードというメリットを活用したいと考えている事業者にとって、価格のギャップを埋めるのに役立つだろう」と述べた。
(堀永卓弘)
(米国)
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