アヌティン首相が下院を解散、総選挙は2月8日に決定
(タイ)
バンコク発
2025年12月17日
タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相が12月11日、下院解散を表明し、これを受けてワチラロンコン国王が12日に承認した。下院を解散する勅令
が官報に掲載された。なお、本勅令は官報掲載日から効力を発する。
官報によると、現政権は、経済、社会、政治、国際関係など緊急課題に対し、迅速に対策を講じてきたものの、少数与党による連立政権であることで、効果的、効率的で安定した国政運営が難しいことから、政情不安を招き、国内経済に重大な影響を与えうることを回避するために、下院を解散し、総選挙を実施することが必要であると判断したと、解散に至る理由が述べられた。
今後については、5日以内に選挙管理委員会が、解散の日より45日から60日の期間中に選挙日を決定することとされており、12月15日、選挙日は2026年2月8日と決定された。
併せて、選挙管理委員会は12月28日から31日までを各政党の首相候補者リストの提出期間とした(12月12日付、12月15日付「ターン・セータキット」紙)。
英国系コンサルティング会社VEROによると、選挙は2月8日に予定どおり実施される可能性が高いとみられている。ただし、憲法第104条の規定で、国境紛争などの緊急時においてはすべての有権者が選挙に参加できるよう選挙日の延期が認められている。また、国民党、タイ誇り党、タイ貢献党の三つどもえの争いを予想し、各党の首相候補を次のとおり挙げた。
- 国民党:ナタポン・ルアンパンヤウット氏、シリカンヤー・タンサクン氏、ウィラユット・カンチューチャット氏
- タイ誇り党:アヌティン氏、スパマス・イサラバクディ氏、ピパット・ラッチャキットプラカーン氏
- タイ貢献党:ヨットチャナン・ウォンサワット氏、ジュラパン・アモーンウィワット氏
なお、アヌティン政権は新首相が選任され、国王の前で就任宣誓をするまでは暫定政権となるが、予算に影響を与える政策や、将来の政権に継続して拘束する政策を承認することはできない。
(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ)
(タイ)
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