海南省、法定最低賃金を12月から引き上げ実施

(中国)

広州発

2025年12月08日

中国海南省政府は12月2日、「全省最低賃金基準調整に関する通知」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、省内全域の法定最低賃金を引き上げることを決定した。改定後の基準は2025年12月1日から実施される。今回の賃金改定は2023年12月以来2年ぶりとなる。

海南省の法定最低賃金は、各都市の経済状況に応じて、1類地区と2類地区に分類される。

1類地区(海口市、三亜市、儋州市、三沙市):月額最低賃金が前回改定比11.9%増の2,250元(約4万9,500円、1元=約22円)、1時間当たりの最低賃金は11.7%増の20.0元。

2類地区(文昌市、瓊海市、万寧市、東方市、五指山市、澄邁県、楽東県、臨高県、定安県、屯昌県、陵水県、昌江県、保亭県、瓊中県、白沙県):月額最低賃金が前回改定比11.9%増の2,070元、1時間当たり最低賃金が12.9%増の18.4元。

海南省の最低賃金基準には、次の項目が含まれる。

雇用主が労働者に支払う、統計部門の規定により賃金総額に算入される基本給、手当、賞与。労働者個人が法に基づき納付すべき社会保険料および住宅積立金。

なお、労働者が正常な労働(注)を提供した場合、雇用主が支払う賃金は、次の項目を除いた後、法定最低賃金を下回ってはならない。

  1. 残業代
  2. 福利厚生
  3. 雇用主が法定負担する社会保険料および住宅積立金
  4. 午後から夜にかけての勤務、夜勤、高温や低温下での労働、また地下作業や有毒・有害作業・重労働など特殊労働に対する手当。

「中華人民共和国労働契約法」第85条に基づき、雇用主が労働者に支払う賃金が法定最低賃金を下回った場合、労働行政部門が雇用主に対して、当地の法定最低賃金と支給額の差額を期日までに支払うよう督促する。支払い期日を過ぎても未払いだった場合、雇用主は労働者に対し、未払い額の50%以上100%以下の賠償金を追加で支払う義務が課せられる。

(注)労働者が法に基づき締結した労働契約の約定に従い、法定労働時間または労働契約で定められた労働時間内に従事する労働を指す。労働者が法に基づき享受する有給年次休暇、帰省休暇、結婚・忌引休暇、出産・育児休暇など国家が定める休暇期間、および法定労働時間内に法に基づき社会活動に参加する期間も、正常な労働を提供したものとみなされる。

(汪涵芷)

(中国)

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