在中国のドイツ企業景況感調査、前年より改善、約6割が中国企業との連携強化を検討

(中国、ドイツ)

北京発

2025年12月09日

在中国ドイツ企業の団体である中国ドイツ商会は12月2日、2025/2026年の景況感調査の結果を発表した(注1)。同調査では、在中国ドイツ企業の中国経済・業界に対する見通しが前年よりわずかに改善したことを示している。また、価格圧力の高まりや国産品優先傾向が加速し、中国企業主導のイノベーションがますます強まっているとした。

中国ドイツ商会華北・東北地区董事会のマーティン・ホフマン主席は、「2025年は中国市場における価格下落やイノベーションの加速、世界的な貿易摩擦の激化により、在中国ドイツ企業はあらゆる産業において、これまで以上に厳しい環境への適応が求められた年だった」と述べた。

同調査によると、56%の回答企業が、中国での事業拡大を目的として中国企業との連携強化を検討しているとした。この点について、ホフマン主席は「中国企業との連携を強化し、研究開発とその産業化スピードに焦点を当てた『ローカリゼーション3.0』を推進することは、在中国ドイツ企業が市場競争力を強化し、現地およびグローバルのイノベーションを促進するための重要な取り組みとなっている」と解説した。

2025年の中国経済が前年比で「悪化した」との回答は43%(前年の60%より17ポイント低下)だった。また、2026年に経済が「改善する」との回答は31%(前年の25%より6ポイント上昇)となった(注2)。そのほか、「中国で事業を継続する予定」との回答は93%だった(注3)。また、今後2年以内の中国での投資意向は、「投資を拡大する」が53%、「さらなる投資は行わない」が33%、「投資を減らす」が14%となった(回答数542)。

「投資を拡大する」と回答した企業へ理由を確認した設問では、「中国市場での競争力維持」が81%で最多だった。次に、「顧客・パートナーがさらなる現地化を求めているため」が47%で続いた(回答数264、複数回答可/最大3項目まで選択可)。一方、企業が投資しない理由を確認した設問では、「競争の激化」が58%で最多となり、続いて「経済成長の減速」が54%だった(回答数237、複数回答可/最大3項目まで選択可)。

中国政府への建議では、「第15次5カ年規画の実施におけるドイツ企業の参与」「両国企業間の協力促進」「持続可能な市場環境を実現するための価格安定化」「公共調達における平等な待遇と公平な参入の推進」「包括的な知的財産権保護の保証」を挙げている。

(注1)同調査は、中国ドイツ商会の会員企業へ9月1日から10月11日にかけてアンケートを行ったもの。有効回答数は627。

(注2)2025年の中国経済について、前年比で「改善」が17%、「変化なし」が40%、「悪化」が43%(2025年の景況感に対する回答数は548)。2026年は「改善」が31%、「変化なし」が46%、「悪化」が23%(2026年の景況感に対する回答数は502)。

(注3)今後2年間で中国から撤退するか否かの設問に対し「撤退しない」が93%、「現在具体的な計画はないが検討中」が6.3%、「部分的に撤退」が0.4%、「完全に撤退」が0.4%。回答数は542。

(蔣春霞)

(中国、ドイツ)

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