ベルリンで日本酒のペアリングイベントを開催

(ドイツ、EU、日本)

ベルリン発

2025年12月02日

在ドイツ日本大使館が1117日、日本酒や焼酎、泡盛、ジン、ワイン、薬用酒、梅酒など日本産酒類の魅力を紹介する日本酒ペアリングイベントを主催した。本イベントはジェトロと国税庁が共催し、ドイツなどでの日本酒の販路拡大を目指すディストリビューターや広島県、おでん、わさび、緑茶、発酵食品といった日本食関連企業が出展し、ベルリンを中心にドイツ内外からホテル・レストラン関係者、ディストリビューター、フードメディア、インフルエンサーなど約150人が参加した。

冒頭で、志野光子駐ドイツ日本大使は、日本酒は地域や蔵ごとに異なる、豊かな個性と多様性をもつことを紹介した。また、地域ごとに特徴があるという点で、ドイツの豊かな食文化にも通じると語り、参加者の関心を引いていた。さらに、日本酒は和食だけでなく、ワインのように洋食ともよく合うため、本日の日本酒と料理をぜひ楽しんでほしいと呼びかけた。

続いて、専門家による日本酒への理解を深めるためのセミナーが行われた。まず、国税庁の酒類輸出コーディネーター、スザンネ・ロスト-アオキ氏が、ベルリンの酒類輸入業Sake Kontorでの20年以上の経験を踏まえ、日本酒の基礎知識と和食とのペアリングを解説した。また、ジェトロの海外コーディネーター(農林水産・食品分野)の林キャロリーヌ氏が、バイヤー向けを中心に日本酒とワインの関係性や、日本酒と欧米料理のペアリングについて紹介した。

写真 林コーディネーターの解説(在ドイツ日本大使館撮影)

林コーディネーターの解説(在ドイツ日本大使館撮影)

提供された日本酒は薫酒、爽酒、醇酒(じゅんしゅ)、熟酒の4カテゴリーに分けられ、それぞれに合わせた料理が振る舞われた。オバツダ(バイエルン風チーズスプレッド)、カリーブルスト(カレーソースのソーセージ)、カスプレスクネーデル(チーズ入り焼きクネーデル)、グーラッシュ(牛肉煮込み)、ボヘミア風クネーデル(パン団子)、チーズケーキといったドイツの定番料理との組み合わせは、「洋食とのペアリングは初めて経験したが、新鮮でおいしい」と高く評価された。和食では天ぷら、デンマークから取り寄せた広島県産カキ、肉じゃがコロッケなども提供され、ゲストから「和食も想像していたより多様で、かつ日本酒との多様な組み合わせがあることもわかった」と好評だった。

写真 日本酒とペアリングした料理(在ドイツ日本大使館撮影)

日本酒とペアリングした料理(在ドイツ日本大使館撮影)

当地の小売り関係者などからは、日本酒の取り扱いを拡充したいといった声や新たに日本酒を仕入れることも検討したいといった声が聞かれたほか、ドイツにおける日本酒市場のポテンシャルは大きいという感想もあった。

(西村明子、小菅宏幸)

(ドイツ、EU、日本)

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