タシケントでUzVCデモデー開催、11社がピッチ
(ウズベキスタン)
タシケント発
2025年12月15日
UzVCおよびウズベキスタン経済財務省主催イベント「Demo Day & Central Asia Venture Conference」が12月5日、同国の首都タシケントで開催された。会場はU-ENTERイノベーションセンター。UzVCはウズベキスタン初のベンチャーキャピタル(VC)で、現在は経済財務省傘下の政府系ファンド・オブ・ファンズ(注1)として、国内スタートアップ・エコシステムの成長促進を目指す。
イベント冒頭、VCなどがパネルセッションに登壇(主催者提供)
当日、スタートアップ・グロース・プログラム(注2)に参加する11のスタートアップが、投資家やアクセラレーターに向けたピッチを英語で行った。登壇企業はシード期を中心にプレシード~プレシリーズAに該当し、人工知能(AI)を活用した業務支援、教育、物流などのサービスを提案した。具体的には次のとおり。
- AI Business Assistant:会計・人事・文書管理などを行うAIエージェントアプリ。
- Akam:高校生をメインターゲットに、大学の学部選択に関する相談や入試対策に対応するAI教育プラットフォーム。
- D-Clinics:遠隔医療、診断、クリニック運営を一括して取り扱うプラットフォーム。
- DriveLens AI:安全性と効率性向上のため、交通違反検知、道路状況分析、車両管理を行うAIシステム。
- Globi eSim:旅行サポートと規制対応の本人確認を組み合わせた、グローバルeSIMプランのマーケットプレイス
- OSNOVA:進路選択やスキル教育を支援する、ウズベキスタンの若者向けキャリアプラットフォーム。
- Robosell:オンラインビジネス立ち上げに必要なツールをまとめたプラットフォーム。
- Smart Haul Yield:中小規模の運送会社向け運行マネジメントシステム。
- Tezbor:単発ドライバーとParcel shopネットワークを活用したAIデリバリーシステム。
- UYSOT:不動産開発業者用のAI顧客管理システム兼不動産マーケットプレイス。
- Wellmay:AIを用いたサービス・商品プロモーションコンテンツ作成ツール。
ピッチを行うスタートアップ企業(主催者提供)
新興市場に注力する国際VCからの参加者は、「いくつか良いアイデアが見られた。ウズベキスタン市場には革新的なソリューション導入の余地が残されている。健全なイノベーション・エコシステム形成に向けた民間企業やプライベートVC・投資家の一層の参加を期待する」とコメントした。
ウズベキスタンの2024年のVC投資は前年比2.8倍の1,750万ドルに伸長した一方、中央アジアでは後期段階(シリーズA、B、C)の有望新興企業への投資拡大が課題として指摘されている(2025年4月7日記事参照)。
スタートアップ・グロース・プログラム参加企業による集合写真(主催者提供)
(注1)複数のファンド(投資信託)に投資するファンドのこと。
(注2)スタートアップ・グロース・プログラムは、シリコンバレーの専門家によるメンタリング、投資機会へのアクセス、ウズベキスタン国内外への市場展開支援の提供を通じ、同国テック系スタートアップの成長を支援している。
(竹内アイシェギュル)
(ウズベキスタン)
ビジネス短信 33079d1eec8b8b96




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