国際医療機器見本市「MEDICA 2025」ジャパンパビリオンに22社出展、革新的技術に関心集まる

(ドイツ、日本)

海外展開支援部販路開拓課

2025年12月23日

国際医療機器見本市「メディカ(MEDICA)」と、併催の医療機器技術・部品見本市「コンパメッド(COMPAMED)」が111720日にドイツ・デュッセルドルフで開催された(2025年11月28日記事参照)。

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロは、メディカにおいてナショナルパビリオンが多く出展しているホールにジャパンパビリオンを設置し、22社の出展を支援した。ドイツでは過去数年、循環器系の疾患やがんが死因として多く挙げられており、ジャパンパビリオンでは、検査や手術時に使用される超音波血流計や赤外光を用いた造影技術によってリアルタイムで血流やリンパ流を可視化する装置に対する関心が高かった。

ジャパンパビリオン参加企業からは、「普段の営業活動では出会えない顧客にも直接アプローチでき、潜在顧客の発掘につながった」「市場のリアクションを肌で感じることができた」という前向きな声が上がった。参加企業に行った事前調査でも、出品目的として新規代理店の発掘と既存代理店との継続商談を挙げた企業が多く、日本と離れた欧州企業との貴重な会合の場として活用していることがわかった。一方で、「例年よりも来場者が減少したと感じた」という意見もあり、主催者発表の数値を2024年と比較すると出展企業数は約500社減、来場者は約2,000人減であることから、国際医療機器見本市としての熱量の落ち着きを感じさせた。

今回初めてジャパンパビリオンに参加した、新潟大学発スタートアップのコラワインド(CollaWind)は口腔内創傷の治療を主用途とする「コラワインドシート(CollaWind Sheet)」を開発・製造している。廃棄される魚うろこ由来の材料を使用することで環境に優しく、また、適用後の感染症が起こりにくいため人体にも優しいという特徴があり、欧州、アジア、中東など世界各国のバイヤーから注目を集めた。代表取締役(CEO)の泉健次氏は「世界展開を見据えるうえで、自社の立ち位置や注目度、強みを把握できた一方、製品への需要を実感したことで、今後の課題として、引き合いのあった地域で流通させるための認証を早急に取得する必要がある」と述べた。

次回のメディカおよびコンパメッドは2026年11月16~19日、同じくデュッセルドルフで開催される予定。

(前田唯乃)

(ドイツ、日本)

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