ジェトロ、ベンガルールで初の「GCCツアー」を実施

(インド、日本)

ベンガルール発

2025年12月24日

ジェトロは12月10~12日に、インド・ベンガルールでグローバル・ケイパビリティー・センター(GCC:Global Capability Center)の開設に意欲を示す日本企業からなる「GCCツアー」を初めて実施した。参加者は、化学品、医療機器、輸送機器、電気機器、半導体関連企業を中心に約30人に上った。

インドはこれまで主に米国のIT企業を中心に、コスト削減や効率化を目的としたオフショアによる開発拠点として活用されるケースが多かったが、近年は多国籍企業を中心に、新たなイノベーションを創出するグローバルセンターとして活用されるケースが増えている。ジェトロは今回のツアーに先立ち、10月24日にGCCセミナーを東京で開催したところ、オンライン(約150人)、オフライン(約220人)合わせて約370人の参加があった。今回のGCCツアーは同セミナー開催もあり、日本企業のGCC開設の機運が高まっている中で実施された。

3日間のツアーでは、ソニー・インディア・ソフトウェア・センター(Sony India Software Centre)、メルカリ・ソフトウェア・テクノロジーズ・インディア(Mercari Software Technologies India)、ボッシュ・グローバル・ソフトウェア・テクノロジーズ(Bosch Global Software Technologies)、インド理科大学院センター・フォー・ブレイン・リサーチ(Centre for Brain Research -IISc)、カルナータカ州政府(Department of Electronics, Information Technology and Biotechnology)、楽天インディア・エンタープライズ(Rakuten India Enterprise)、ルネサス・エレクトロニクス・インディア(Renesas Electronics India)、ウィプロ(Wipro)、インフォシス(Infosys)、ベンガルール国際情報技術工科大学(IIIT-B: International Institute of Information Technology Bangalore)と、日本および外国企業によるGCCに加え、大学・研究機関や政府関連部局など、計10カ所を訪問した。これらに加え、日本とインドのベンチャーキャピタル(VC)、スタートアップ関係者とのネットワーキングも2日間にわたり行われた。

ツアーに参加した日本企業からは、GCC設立に至った経緯や拡張する過程で課題となった点、エンジニア要員確保のための工夫、日本とインドの機能をどのように分担しているかなど、多くの質問が投げかけられた。各社からは、「GCCの立ち上げや運営上の苦労話を聞くことができ、今後のGCCの活用について確認することができた」「各GCCがどの範囲まで対応するかは企業規模に応じて異なることが分かり、自社として今後何をすべきか考えるヒントになった」「GCCは単なるコスト削減拠点から、人工知能(AI)・セキュリティーなどの高度技術を活用するイノベーション拠点へと進化していることを実感した。付加価値を創造するためにも、この潮流に乗り遅れてはいけないと感じた」などのコメントが聞かれた。

写真 GCCツアーの様子(ジェトロ撮影)

GCCツアーの様子(ジェトロ撮影)

(水谷俊博)

(インド、日本)

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