英中銀、3.75%への政策金利引き下げを発表
(英国)
ロンドン発
2025年12月19日
英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は12月18日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.75%とすると発表した
。2025年に入って4度目の利下げとなる。前日まで開催されていた金融政策委員会(MPC)で9人中5人が利下げを支持、残る4人は据え置きを支持し、判断は僅差だった。BOEのアンドリュー・ベイリー総裁は「金利は依然として緩やかな低下傾向にあるが、利下げを進めるたびに、その先どこまで引き下げるべきかの判断は難しくなる」とコメントした(「BBC」12月18日)。
12月17日に発表された2025年11月のインフレ率は3.2%となり、9月の3.8%、10月の3.6%から低下し、11月の金融政策報告書の短期予測も下回った。主に食料価格の伸びの下振れが影響した。サービス価格も賃金上昇の鈍化を背景に、インフレ率の低下傾向が続いている。
一方で、国民保険料の雇用主負担分の引き上げや年初の水道料金の値上げなどの影響が、引き続きインフレ率の低下を抑制している。BOEはエネルギーや食料品などの価格動向に加え、賃金やサービス価格のインフレ率の低下およびその速度に引き続き注視していくとした。
英国産業連盟(CBI)は、インフレ率がBOEの予測どおり低下し続ける場合、2026年早々にもさらに追加で1回の利下げが行われ、政策金利は最終的に3.5%まで引き下げられる可能性があると予想する。しかし、MPC内で意見の相違がみられることから、利下げ時期が先送りされる可能性も十分にあると指摘した。
(野崎麻由美)
(英国)
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