OECDがアフリカのインフラ投資の必要性を強調、道路や鉄道などに投資ニーズ

(アフリカ)

調査部中東アフリカ課

2025年12月04日

OECDは11月27日、「アフリカの開発ダイナミクス2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、2040年までに、アフリカ諸国の2024年のGDPの5.6%に相当する年間1,550億ドルをインフラへ投資することで、年間成長率を4.5ポイント押し上げると試算した。これにより、2040年までにアフリカ諸国のGDPは2倍以上になると見込んでいる。

OECDは、インフラ投資がアフリカの経済改革を牽引し、アフリカ連合(AU)の長期的な開発ビジョン「アジェンダ2063」での年間成長率7%という目標達成を後押しすると指摘。アフリカのインフラプロジェクトの投資収益率は最大20%で、世界で最も魅力的な水準の1つと強調した。

2016年から2020年までの間で、民間、政府、開発金融を合わせた年間のインフラ投資額は、GDPの3%(830億ドル)にとどまり、アフリカ諸国政府の平均的なインフラへの投資額はGDPの1.3%となっているという。

OECDは特に、アフリカではインフラへの投資額に占める民間投資の割合が11%と、他の地域に比べて低いことを指摘している。2013年から2022年にかけて、世界の民間インフラ投資が3倍に増加したのに対し、同期間のアフリカへの投資は全体の6~8%だった。直近では、コスト上昇とマクロ経済環境の悪化により、アフリカの民間資本によるインフラ投資額は2023年の18億ドルから2024年は12億ドルに減少した。

アフリカのインフラ投資の48%は2国間・多国間の開発パートナーによる資金で賄われており、開発金融のインフラ向け支出は2010年の約100億ドルから2023年には約150億ドルに増加し、同年は開発金融取引全体の19%を占めた。一方、OECDは、政府開発援助(ODA)が2024年に9%減、2025年にはさらに9~17%減少すると予測しており、今後の見通しは不透明と指摘する。

OECDは、限られた資金源の中で経済ハブを結ぶインフラを優先することが、最も費用対効果が高いとしている。具体的にはアフリカでは、鉄道や道路、光ファイバーケーブルに投資ニーズがあるとした。

(加藤皓人)

(アフリカ)

ビジネス短信 2035e87a9e40796d