日本企業、CCXP商談会でブラジルコンテンツ市場攻略へ
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年12月12日
ブラジルのサンパウロ市内でコンテンツ関連のBtoB商談会「CCXP UNLOCK 2025」
が、12月3~7日に開催された。同商談会は、南米最大規模のポップカルチャーイベント「コミックコン・エクスペリエンス(Comic Con Experience:CCXP)」に併催されるかたちで、2025年から新設された商談会だ。
ジェトロは本商談会でJapan Street広報ブースを設置し、日本企業の参加を支援した(注1)。日本からは大手放送局やアニメおよび映像制作会社を含む11社が参加し、現地バイヤーを含むブラジル企業との商談やネットワーキングを実施した。イベントには、ブラジルの大手テレビ局グローボ、SBT、ストリーミング大手アマゾンプライム、Play TVなども参加した。
ジェトロブース(左)、CCXP UNLOCK2025の商談エリア(右)(ともにジェトロ撮影)
同商談会が初回開催ということもあり、参加したバイヤー数は十分とは言えない状況だった。しかし、主催者のオムレッチ・カンパニー担当者によれば、今後、バイヤー数を増やす方針だ。ジェトロは参加した日本企業に対し、商談会に参加していないブラジルバイヤーともオンラインおよび対面で仲介や引き合わせを行い、イベント会期中、積極的に商談を組成した。
会期期間中には、ブラジルのコンテンツ市場における消費傾向に関する調査が発表され、さらに、ブラジルで日本のコンテンツを幅広く取り扱うサトウ・カンパニーによるブラジル市場における韓国ドラマに関する総論など、業界動向を把握する上で有益なカンファレンスも多数開催された。
サトウ・カンパニーのネルソン・サトウ社長(中央)による発表(ジェトロ撮影)
参加した日本企業からは「現地に足を運ぶことで中南米市場の理解が深まり、実際にブラジル企業と顔を合わせて会話する重要性を強く感じた。この経験は何ものにも代えがたい貴重な機会となった」との声が寄せられた。ジェトロは、参加企業の商談進捗や成果を継続してフォローアップし、日本と中南米間におけるコンテンツ貿易支援をさらに強化する方針だ。
ブラジルの映像市場規模は2024年に約70億2,000万レアル(約2,035億8,000万円、1レアル=約29円)、雇用者数は約60万8,900人。豊富な人材と成長するコンテンツ需要を背景に、ブラジルは日本の映像やエンタメ関連企業が新たなビジネスチャンスを獲得するための理想的なマーケットといえそうだ。
来場者や出展者で混み合うCCXP会場(ジェトロ撮影)
(注1)ジェトロJapan Street事業についてはジェトロウェブサイト参照。
(注2)ブラジルにおける日本アニメ関連サービス・商品についての詳細は、調査レポート『アニメ関連サービス・商品に関するブラジル市場レポート(2025年3月)』を参照。
(榊原悠生)
(ブラジル)
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