10月のインド乗用車販売は過去最高、前年同月比17.2%増

(インド)

ベンガルール発

2025年12月05日

インド自動車工業会(SIAM)は11月14日、2025年10月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。10月単月の自動車販売台数(乗用車、二輪車、三輪車)は前年同月比4.1%増の269万1,620台で、祝祭シーズン需要と物品・サービス税(GST)の引き下げ効果が販売台数を押し上げた(添付資料表1参照)。

乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比17.2%増の46万739台(注1)と単月の過去最高を記録した(タタ・モーターズ・パッセンジャー・ビークルズ含む、注2)。タタを除く統計でも過去最高となる39万9,605台、15.8%増で、中でも、UVは19.3%増の26万9,467台と大幅増だった。二輪車販売台数は2.1%増の221万727台で、単月の過去最高を更新した。うち、スクーターは14.3%増と好調だった。三輪車は5.9%増の8万1,288台だった。

SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「乗用車、二輪車、三輪車の各セグメントは、物流面で制約があったにもかかわらず、祝祭需要とGST引き下げの効果で10月の過去最高のディーラー向け出荷を記録した」とコメントした。

メーカー別乗用車販売動向では、首位のマルチ・スズキが前年同月比10.5%増の17万6,318台、次いで地場マヒンドラ&マヒンドラが31.4%増の7万1,624台といずれも大幅増になった。その他の日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが43.1%増の4万247台、ホンダが15.3%増の6,394台、日産は23%減の2,402台だった(添付資料表2参照)。

メーカー別二輪車販売動向では、首位のヒーローが前年同月比7.9%減の60万4,820台、2位のホンダが8.3%増の59万8,946台、3位のTVSモーターが8.0%増の42万1,631台となった。そのほか、ロイヤルエンフィールドが14.7%増の11万6,844台で、高級二輪市場で存在感を示した。また、電動二輪を販売するエイサー・エナジーが28.3%増の2万5,829台と急成長している(添付資料表3参照)。

(注1)SIAM発表の統計では39万9,605台だが、この数字には地場企業タタ・モーターズ・パッセンジャー・ビークルズの販売台数が含まれていないため、これを含めると46万739台となる。タタの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。全体の自動車販売台数や、セグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。

(注2)タタ・モーターズ・パッセンジャー・ビークルズは10月1日に旧タタ・モーターズから乗用車部門が分社化された。現タタ・モーターズは商用車部門の存続会社。

(小柴里沙)

(インド)

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