シンガポール、ブラジルと気候変動対策の協力で覚書

(シンガポール、ブラジル)

シンガポール発

2025年12月22日

シンガポール貿易産業省(MTI)は12月18日、ブラジルと気候変動対策のパートナーシップ確立に向けた覚書(MOU)に署名したと発表した(MTIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ブラジル外務省(MRE)が同月17日付プレスリリース時に公表した署名済みMOUによると、同MOUは11月21日に署名された(MREプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。署名日と公表日が異なる点は明らかにされていない。

MOUに基づくパートナーシップ分野には、(1)気候変動対策に関する情報、知識、ベストプラクティスおよび経験の交換、(2)パリ協定第6条に言及される協力的な取り組みの実施に向けた共同作業、ならびに相互の利益と関心に基づく排出削減および除去プロジェクトに関する将来の協力への関与方法の共同検討、などが挙がる。既述に基づく協力の実施にあたり、両国は、相互に合意した基準および手続きに基づき、パリ協定第6条第2項の枠組み内における炭素クレジットに関するさらなる協力に取り組むことを決定することができるとし、相互の利益と関心のあるパリ協定第 6 条に基づくプロジェクトに関する協力を促進するため、両国は、国際的に移転される緩和の成果(ITMOs)の承認と移転に関する2国間枠組みを定めた、法的拘束力のある実施協定の策定と署名を目指す。

シンガポールでは、炭素税の課税対象企業は2024年1月から、課税対象の排出量の一部を国際炭素クレジット(ICC)と相殺できるようになった。実施協定に基づくICCプロジェクトから創出されたICCを適格基準に従って相殺対象とすることができる。

シンガポールはこれまでに、ブータン、チリ、ガーナ、モンゴル、パプアニューギニア、パラグアイ、ペルー、ルワンダ、タイ、ベトナムの10カ国と実施協定の署名に至っている。また、カンボジア、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、フィジー、ケニア、ラオス、マレーシア、モンゴル、モロッコ、フィリピン、セネガル、スリランカ、ザンビアとも、ブラジルと類似したMOUに署名している。

(朝倉啓介)

(シンガポール、ブラジル)

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